旅行業界地図——H.I.S.のポジション
面接で必ず聞かれる「なぜH.I.S.?」に答えるための情報。JTB・楽天トラベル・KNTとの違いと、H.I.S.ならではの強み・弱みを正直に解説します。
業界ポジショニングマップ
よく比較される企業との違い
H.I.S. vs JTB
「格安海外特化のHIS」と「国内最大手の総合旅行JTB」
| 売上規模 | 3,731億円(FY2025) | 約6,000億円 |
| 従業員数 | 約12,700人(連結) | 約2万人以上 |
| 強み | 格安海外旅行・ホテル事業・海外DMC | 国内旅行・法人MICE・全国店舗網 |
| 国内店舗 | 約230店舗(国内) | 約500店舗以上 |
| 海外拠点 | 約60か国以上 | 海外現地法人あり(規模は異なる) |
| ホテル事業 | 直営ホテルを積極展開(最高益更新) | 「JTBグランドツアー」等はあるがホテル直営は少ない |
| 社風 | ベンチャー気質・海外志向・スピード感 | 大企業・安定志向・全国ネットワーク |
面接で使える切り口:面接で使える切り口:「JTBは国内旅行と法人MICEが強く盤石なブランド。HISは海外旅行×インバウンド×ホテルの成長性と、60か国以上の海外拠点で"世界を旅行ビジネスの場"にする点に惹かれた」
H.I.S. vs 楽天トラベル・Booking.com
「リアル旅行会社」と「OTA(オンライン旅行代理店)」の戦い
| ビジネスモデル | 仕入れ型(ツアーを自ら作る) | プラットフォーム型(ホテル・航空券を仲介) |
| 強み | 複合手配・添乗員・現地サポート | 価格比較の容易さ・UI/UX・会員規模 |
| 弱み | 単品手配はOTAに価格負けしやすい | 複雑な旅行の相談サポートが弱い |
| 対象客層 | 旅行に不慣れなシニア・パッケージ好きな層 | 個人旅行に慣れた若年層・IT慣れ層 |
| 人材像 | 旅行コーディネーター・法人営業 | エンジニア・データサイエンティスト・マーケター |
面接で使える切り口:面接で使える切り口:「OTAが単品手配の効率化を進める中、HISは複合パッケージ・現地サポート・ホテル事業という"OTAが代替できない価値"で差別化できていると思う」
H.I.S. vs 近畿日本ツーリスト(KNT)
同じ「旅行会社」。どこが違う?
| 親会社 | 独立系(HIS単体) | 近鉄グループHD傘下 |
| 特徴 | 海外旅行・個人旅行・格安特化 | 国内旅行・団体・近鉄沿線事業とのシナジー |
| 年収水準 | 約443万円 | 旅行業界水準(同程度) |
| 安定性 | コロナ禍で大打撃→業績回復中 | 近鉄グループの一員として安定基盤あり |
面接で使える切り口:面接で使える切り口:「KNTは近鉄グループの安定基盤が魅力。HISはグループに依存しない独立した成長戦略とグローバル展開のスピード感が魅力」
「なぜH.I.S.?」の3つの切り口
格安航空券で世界を身近にした——「旅行の民主化」のDNA
1980年代に「海外旅行は高いもの」という常識を壊したのがHIS。その精神は今も「誰でも海外に行ける」という発想で続いている。「既存の常識を変える」というマインドが就活のエントリーシートで使いやすい——「HISが旅行を変えたように、自分も〇〇業界に新しい価値を作りたい」という語り方が刺さる。
60か国以上の海外拠点——グローバルキャリアの可能性
旅行会社の中でも海外現地法人のネットワークはHISの最大の強みの一つ。単に海外旅行を売るだけでなく、現地でツアーを作り・運営する「着地型」の仕事がある。語学力を活かして海外で働きたい人にとって、HISは選択肢が多い会社。面接では「具体的にどの国に行きたいか」「その国でどんな価値を作りたいか」まで語れると強い。
コロナ禍の逆境を越えた「再生企業」——変化への対応力
HISはコロナで業績が壊滅的な打撃を受け、事業の選択と集中を断行した。この経験が「変化に強い組織文化」と「ホテル・DMCへの多角化」につながっている。就活の軸として「逆境の中でも成長しようとしている会社に関わりたい」という人には、このフェーズのHISはユニークな選択肢。
弱みも正直に
年収の低さ——旅行業界の構造的な問題
平均年収約443万円は日本の平均水準と同程度。金融・IT・コンサルと比べると大きく見劣りする。これは「好きなことを仕事にしている」という非金銭的なトレードオフでもある。旅行業界全体の収益性の問題で、HIS固有の問題ではないが、年収を最優先に考えるならHISは選びにくい。
パンデミック・地政学リスクへの脆弱性
旅行業はコロナ・戦争・テロ・自然災害の影響を最も受けやすい業種の一つ。コロナ禍でHISが大打撃を受けたのは事実で、「また起きたら?」という不安は正当。ホテル事業への多角化はリスク低減策だが、旅行需要の消失には完全に対抗できない。安定性を重視するなら鉄道・電力・通信に及ばない。
OTA(楽天・Booking.com)との価格競争
個人旅行の単品手配ではOTAとの価格競争に常にさらされている。HISが「複合パッケージ」「現地サポート」「添乗員付きツアー」で差別化しているのはこのためだが、デジタルネイティブの若年層が単純に「HISのカウンターに行く」理由は減っている。店舗モデルの変革は課題。
ひよぺん対話
面接で「なぜHIS?JTBでもいいのでは?」って聞かれたらどう答える?
ここが一番差別化しにくい質問。JTBは安定感・規模感・国内旅行の強さが魅力。HISは「海外特化×グローバル拠点×ホテル事業への転換」という変化のスピードが強み。「自分がやりたいことはX。それをHISでできる理由はY」という論理構成で答えるのが基本。たとえば「海外でツアーを作る仕事がしたい→HISの60か国超の現地法人は世界最大級の旅行会社と対等に戦える基盤」とか、「ホテル×旅行の一体型ビジネスに興味がある→直営ホテルと旅行を両方持つのはHISの強み」とか。JTBとの差を言語化できると高評価。
OTAに旅行会社は取って代わられる?楽天トラベルで全部できるし。
正直、単純な「ホテル1泊手配」「往復航空券予約」はOTAに完全に移行した。HISの店舗で「成田→バンコク往復チケットだけ」を買う人は激減している。ただOTAが弱いのは「複雑な旅行の相談・手配」と「何かあった時のサポート」。海外で体調を崩した時、現地法人がある会社だと助かる。ヨーロッパ8か国・20日の周遊で複数列車・ホテルを組み合わせる旅行はOTAより対面が向いている。それと企業の団体旅行・インセンティブツアーはOTAには代替できない。HISが生き残る余地は「複雑さ」と「法人」と「現地力」にある。