3分でわかる富士ソフト
「組み込みソフトウェア」と「業務系SI」を両輪とする独立系SIer。
自動車・産業機器・通信機器の「モノの中で動くプログラム」を作る技術者集団。
1970年設立 | 2025年5月 KKRによるTOBで上場廃止 | 平均年収640万円
富士ソフトの業界ポジション
富士ソフトは「組み込み×業務系」の独立系SIerとして、大手メーカー系SIerとは異なる独自のポジションを持つ。CASE時代の自動車ソフトウェア化で組み込み需要が急増している。
富士ソフトの強みは「組み込みソフト開発力×業務系SIを一社で担える独立系」という唯一性。特定のメーカーグループに属さない独立系ゆえに、複数の自動車メーカー・産業機器メーカーを顧客に持てる。
3つのキーワードで理解する
「組み込みソフトウェア」という特殊な専門性
富士ソフトの最大の特徴は「組み込みソフトウェア開発」に強いこと。組み込みとは、車・工場機械・スマート家電・医療機器・通信機器など、あらゆる「モノ」の中で動くソフトウェアのこと。アプリやWebと違い、ハードウェアと一体で設計する必要があり、リアルタイム性・安全性・省メモリなどの厳しい制約がある。AUTOSAR(自動車向けソフトウェア標準規格)への対応実績など、他のSIerにはない専門技術を持つ。近年のCASE(コネクテッド・自動運転・電動化)の進展で、自動車向け組み込み開発の需要は急増している。
KKRによる非公開化——「変革期」に入った会社
2025年5月、米PEファンドKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)が約5,583億円でTOBを成功させ、富士ソフトは上場廃止に。KKRは「非公開化で四半期ごとの株主プレッシャーを排除し、長期的な投資で富士ソフトを次のステージに進める」と説明している。就活生的には「上場廃止=倒産」ではなく、「KKRという大きなスポンサーを得て事業変革に入った会社」と理解するのが正確。KKRはビジョン・デンソーテンなど日本企業の変革実績があり、富士ソフトの技術力を活かした海外展開・DX強化を進める方針。
毎年800人超の大量採用——「エンジニア工場」型の育成
2024年度の新卒採用は818名と、独立系SIerとしては国内最大級。学歴不問・理文問わず幅広く採用し、OJT中心のオンザジョブ育成で即戦力化する「量産型エンジニア育成」が富士ソフトの特徴。大量採用ゆえに「誰でも受かる」「競争がない」と思われがちだが、採用後の育成でしっかりした技術者に育てる仕組みは整っている。SE・ネットワーク・組み込みの各技術分野で資格取得を奨励し、着実にキャリアを積める環境。
ひよぺん対話
「上場廃止」ってニュースで見た!富士ソフトって大丈夫なの?倒産したの?
倒産ではないよ。「上場廃止」と「倒産(経営破綻)」は全く別のこと。富士ソフトが上場廃止になったのは、米PEファンド(プライベートエクイティ)のKKRが「会社の株を全部買い取って非公開化した」から。KKRはグローバルで有名な投資ファンドで、日本でもビジョン・パナソニックグループへの投資実績がある。非公開化の目的は「四半期ごとの株主プレッシャーなしに、長期的な変革を進める」こと。富士ソフトの技術力(特に組み込み・自動車分野)を活かして、海外展開やDX事業を強化するための戦略的な判断。就活的には「大きなスポンサーが付いて変革中の会社」という理解が正確だよ。
「組み込みソフトウェア」って何?普通のSEの仕事とどう違うの?
普通のSEが作るのは「パソコン上で動くシステム」(銀行のATM画面、会社の人事システム等)。組み込みSEが作るのは「モノの中で動くプログラム」——例えば「自動車のABS(アンチロックブレーキシステム)の制御プログラム」「工場のロボットアームを動かすプログラム」「エアコンの温度調節プログラム」。全部ソフトウェアだけど、ハードウェアと一体で動くから、「メモリが限られている」「失敗したら事故になる」「0.001秒単位のリアルタイム処理が必要」という制約がある。普通のWebアプリとは全く違う専門知識が必要で、CASEで自動車のソフトウェア化が進む現代、組み込みエンジニアの需要は急増している。富士ソフトはこの分野で国内でも有数の実績を持つ会社なんだ。