成長戦略と将来性
航空機回復・アジア成長・エネルギートランジション——双日の3つの成長エンジンは「時代の流れ」と合致している。
安定性の根拠
多角化された事業ポートフォリオ
航空・エネルギー・金属・食品という異なる景気サイクルの事業を持つ。一つの事業が不振でも他でカバーする構造。リーマンショック・コロナ禍からも回復した実績がある。
IFRS基準での安定した純利益
2025年3月期純利益1,106億円(前年比+9.8%)。過去5期で一度も赤字なし。航空機ビジネスのコロナ禍打撃からの完全回復が利益水準を押し上げた。
長期的な航空機リースの固定収益
航空機リース契約は10〜15年の長期契約が基本。一度組んだポートフォリオからの収益は安定している。航空需要が世界的に成長している中、長期固定収入が増加。
3つの成長エンジン
世界的な航空需要回復と機材需要の増加
コロナ後の旅行・物流需要爆発で航空会社の機材発注が急増。特にアジアのLCCの機材更新・増強が双日の航空機ビジネスに直接の需要をもたらす。ボーイング・エアバスの製造遅延により中古機市場も活況。
インド・アジア新興国市場の爆発的成長
2025年に人口世界最大となったインド、高成長が続くベトナム・インドネシア——これらの国での工業団地・インフラ・消費財ビジネスは今後10〜20年の成長エンジン。双日の早期からの投資が実を結ぶ時期に入っている。
エネルギートランジション事業の拡大
石炭からLNG・再エネへのシフトに合わせ、脱炭素関連事業(洋上風力・水素・EV充電インフラ)への投資を拡大。化石燃料で稼ぎながら再エネに投資する「トランジション商社」として変革を進める。
AIで変わること・変わらないこと
変わること
- AIによるトレーディングの価格予測・市場分析が高度化
- 航空機整備・点検にAIとドローンを活用——整備費用が削減
- サプライチェーン最適化にAIを活用——在庫・輸送効率が改善
- AI活用の農業・食料生産効率化——アグリビジネスの付加価値向上
変わらないこと
- 政府・パートナー企業との長期的な信頼関係構築は人が担う
- 新興国でのゼロからの事業開発は人脈とリスク判断が核心
- 航空機の複雑な取引(法規制・ファイナンス・保険)のアレンジは人が必要
- 現地文化・政治リスクの判断はAIには難しい
「商社不要論」への回答
「Amazon・Googleが情報を制覇したら商社はいらなくなる」という議論は昔から繰り返されてきた。現実には商社は今も成長している。なぜなら商社の本質は「情報の仲介」ではなく「リスクを取って事業を作ること」だから。双日が行う航空機の売買ディール・インドのインフラ開発は、情報技術の進化では代替できない「人間が動く事業」だ。
ひよぺん対話
双日は「中期経営計画」があるって聞いたけど、どんな内容?
「Infinite Transformation 2026(IT2026)」という計画で、純利益1,000億円超の安定的な達成を目指している。コア事業(航空・インフラ)の深化と、アジア新興国への投資を加速する方針。2025年3月期の純利益1,106億円でこの目標をすでに達成しており、計画は順調に進んでいる。次の中計ではさらなる成長目標が設定される見込み。
商社ってAIに仕事を奪われる?「情報の非対称性がなくなる」とか言われてる。
確かに「情報収集・価格比較」という機能だけなら AIが代替できる部分はある。でも商社の本当の価値は「リスクを取って事業を作ること」。インドの工業団地を作る・アジアのLCCに飛行機を売る・現地政府と交渉する——これは情報だけじゃなく、信頼関係・実行力・文化理解が必要。AIは分析はできるが、リスクを取って事業を動かす判断は人間がやる。商社の「事業家」としての機能は AI では置き換えにくいよ。