りそなグループの成長戦略と将来性
「フィンテックで銀行いらなくなる?」——信託×DX×リテールで、銀行の未来を切り拓く戦略。
なぜりそなは潰れにくいのか
実質国有化を乗り越えた「危機耐性」
2003年に一度潰れかけ、そこから復活した企業は「二度と同じ過ちを犯さない」という強い危機意識を持つ。大企業向け巨額融資で背伸びせず、リテールで確実に稼ぐ経営方針が根付いている。
信託×年金の安定収益基盤
遺言信託、不動産仲介、企業年金受託は景気に左右されにくい手数料ビジネス。融資の金利マージンだけに依存しない収益構造が、りそなの安定性を支えている。
首都圏・関西圏という国内最大市場が地盤
人口減少が進む地方と違い、首都圏・関西圏は人口維持〜微増の見通し。住宅ローンや個人向け金融サービスの需要が底堅い地域にしっかり根を張っている。
銀行は免許制——参入障壁が極めて高い
フィンテック企業が台頭しても、銀行免許を持つプレイヤーは限られる。預金保険制度で預金者は保護されるため、「りそなに預けたお金が返ってこない」リスクは実質ゼロ。
3つの成長エンジン
信託・年金フィービジネスの拡大
遺言信託、不動産仲介、企業年金受託は金利環境に左右されない手数料収入。高齢化で相続ニーズは増大し、事業承継市場も拡大。「普通銀行で唯一の信託併営」という武器を最大限活かす。
デジタルバンキングの深化
りそなグループアプリ700万ユーザーを金融プラットフォームに進化させる。住宅ローン仮審査、投信購入、保険加入までスマホ完結。支店の効率化で浮いたコストを成長投資に回す。
金利正常化の追い風
日銀のマイナス金利解除で利ざや(貸出金利と預金金利の差)が回復。長年の「金利ゼロ地獄」から脱出し、銀行の本業である貸出収益が改善。2025年3月期の純利益34%増はその証拠。
AI・自動化でどう変わる?
銀行業界 × AI の未来
りそなは「AIにできることはAIに、人間にしかできないことは人間に」を方針に掲げる。定型業務のAI化で支店の人員を減らし、浮いた人材を信託・事業承継・法人コンサルなど「人間力」が求められる領域に振り向ける。
AIで変わること
- 審査のAI化: 融資審査にAIを導入し、中小企業の決算書分析を高速化。人間のバイアスを排除した客観的な与信判断
- チャットボット対応: 口座開設、残高照会、振込などの問い合わせをAIが24時間対応。支店窓口の負荷を軽減
- 不正検知: AI×ビッグデータで振り込め詐欺やマネーロンダリングの異常パターンを自動検出
- パーソナライズド提案: 顧客の取引データをAIが分析し、最適な金融商品を自動レコメンド
人間が担い続けること
- 人生の大きな決断への寄り添い: 住宅購入、相続、事業承継——感情が絡む場面でAIは代替できない
- 中小企業の経営者との信頼関係: 融資だけでなく経営の悩みを聞く「相談相手」は人間だからこそ
- 遺言信託の対面コンサル: 家族関係の複雑な事情を理解した上での提案は、人間の共感力が必要
- コンプライアンスの最終判断: 法規制の解釈や倫理的判断は人間の責任範囲
ひよぺん対話
フィンテックに銀行は淘汰されないの?PayPayとかで銀行いらなくなりそう...
いい質問。結論から言うと「フィンテックに侵食される部分」と「銀行にしかできない部分」がある。
侵食される部分: 送金(PayPay)、少額融資(メルペイ)、口座開設(ネット銀行)
銀行にしかできない部分: 住宅ローン、法人融資、信託・年金、事業承継
りそなが強いのは後者の領域。フィンテックは「便利さ」で勝負するけど、3,000万円の住宅ローン審査やM&Aのアドバイザリーは今のフィンテック企業にはできない。
むしろりそなはフィンテックの技術を取り込む側。アプリの700万DLがその証拠だよ。
りそなの「レゾナンスモデル」って何?
りそなの中期経営計画の核となるコンセプト——
リテール × 信託 × IT × 人財の4つを「共鳴(レゾナンス)」させて、個人・中小企業に特化した金融プラットフォームを作るというもの。
具体的な目標——
・2027年度に連結実質業務純益3,600億円
・りそなアプリを金融プラットフォームに進化
・信託・不動産・年金のフィー収益比率を引き上げ
・DX投資でコスト構造を改革
要は「貸出金利だけで稼ぐ古い銀行」から「手数料+デジタルで稼ぐ新しい銀行」への転換宣言。就活では「レゾナンスモデル」を語れると企業研究の深さが伝わるよ。
金利が上がると銀行って儲かるの?
基本的にはYES。銀行の本業は「安い金利でお金を集めて、高い金利で貸す」こと。この差(利ざや)が銀行の利益。
日本は長年ゼロ金利で銀行の利ざやが極端に薄かった。でも日銀がマイナス金利を解除し、金利が上がり始めた2024年以降、りそなの利益は急回復。2025年3月期の純利益2,133億円(前年比34%増)はまさに金利上昇の恩恵。
ただし金利が上がりすぎると住宅ローンの新規需要が減る。「ちょうどいい金利上昇」が銀行にとってベストなんだ。
30年後、りそなはどうなってると思う?
30年後の予想——
・支店数は現在の半分以下に。でもアプリ+ビデオ相談でサービスの質は上がる
・「信託×テクノロジー」で相続・年金のDXプラットフォームになっている
・中小企業の事業承継市場は30年で最大のピークを迎える(団塊ジュニア世代の引退)。りそなにとって最大の商機
・3行体制は1つに統合されている可能性も。効率化の圧力は避けられない
「銀行が変わる30年間」の真っ只中に新卒で入る。変革の当事者になれるタイミングだよ。