💼 仕事内容を知る——講談社
講談社の仕事は「本を作る」だけではない。マンガIPを世界中にライセンスし、アプリで配信し、アニメ化を仕掛ける——「IPカンパニー」の4つの領域を解説。
プロジェクト事例で知る「リアルな仕事」
連載立ち上げ——新人マンガ家と「次のブルーロック」を生み出す
マンガ編集者の最大の仕事は「連載を立ち上げる」こと。新人マンガ家の持ち込みに目を通し、才能を見出し、ネーム(下書き)の段階から「もっと面白くするには?」を一緒に考える。週刊連載は毎週締め切りがあり、作家のモチベーション管理、ストーリーの方向性の議論、読者アンケートの分析を繰り返す。「ブルーロック」が世界的ヒットになったのは、編集者と作家の二人三脚の成果。
版権ビジネス——マンガをアニメ・映画・ゲームに展開する
講談社の版権ライセンス事業は急成長の柱。マンガ作品をアニメ制作会社、映画会社、ゲーム会社にライセンスし、ロイヤリティ収入を得るビジネス。「進撃の巨人」のアニメ化、「東京リベンジャーズ」の実写映画化、各種グッズ展開——一つのマンガIPを多角的に収益化する戦略の司令塔。海外の出版社・配信プラットフォームとの翻訳版ライセンス交渉も重要な業務。
マガポケの成長戦略——アプリ課金で読者を囲い込む
マンガアプリ「マガジンポケット(マガポケ)」のコンテンツ戦略・ユーザー獲得・課金モデルの設計を担当。「どの作品を無料公開し、どこから課金するか」のフリーミアムモデルの最適化がカギ。データ分析に基づくレコメンドエンジンの改善や、新作連載のデジタルファースト展開も推進中。
4つの事業領域
コミック編集
マンガ家・読者講談社の最大の事業領域。週刊少年マガジン、ヤングマガジン、アフタヌーン、モーニング、別冊少年マガジン、なかよしなど少年・青年・少女・女性向けを網羅する多数の雑誌を発行。編集者はマンガ家と二人三脚でヒット作品を生み出す「プロデューサー」。新人発掘→連載→単行本化→デジタル配信→アニメ化までのパイプラインを管理する。
文芸・書籍編集
作家・読者・学術界講談社文庫、講談社現代新書、ブルーバックス、講談社学術文庫など多彩なレーベルを持つ。小説の連載・単行本化、新書の企画、学術書の編集を担当。芥川賞・直木賞の候補作を生み出す文芸編集者は出版業界の花形。女性誌(ViVi、with)の編集もこの領域に含まれる。
権利・ライセンスビジネス
アニメ制作会社・映画会社・ゲーム会社・海外出版社マンガIPのアニメ化・映画化・ゲーム化・グッズ化のライセンス交渉と契約管理。海外出版社への翻訳版ライセンス、海外配信プラットフォームとの契約も。版権収入は講談社の利益成長の最大ドライバーであり、「出版社からIPカンパニーへの転換」を推進する部門。
デジタル事業
アプリユーザー・ウェブ読者マガポケ(マンガアプリ)、電子書籍配信、ウェブメディアの運営。デジタル売上は紙を逆転し、講談社の成長エンジン。コンテンツのデジタルファースト配信、データドリブンなマーケティング、AIを活用した新サービスの開発を推進中。
ひよぺん対話
マンガ編集者って「才能を見抜く目」がないとダメでしょ?自信ないんだけど…
実は「才能を見抜く目」は入社後に身につけるもの。持ち込み原稿を毎週何十本も読み、先輩編集者と議論し、読者アンケートを分析する中で「面白さのセンサー」が磨かれていく。入社時点で求められるのは「マンガへの異常な熱量」と「人と深く関わる力」。編集者はマンガ家と一対一で向き合い、時には厳しいフィードバックもする。「この作品をもっと面白くしたい」という熱意が、作家との信頼関係を作る。才能より情熱の方が大事だよ。
権利ビジネスって出版社っぽくないけど、どうやって配属されるの?
講談社は入社後にジョブローテーションで様々な部署を経験する仕組み。最初はコミック編集や文芸編集に配属されても、3〜5年後に権利ビジネスに異動するケースはある。実際、編集を経験した人が権利ビジネスに移ると、作品の価値を深く理解した上でライセンス交渉ができるので強い。逆に最初から権利ビジネスに配属されるケースもある。語学力がある人は海外版権の担当として重宝されるから、英語ができるなら面接でアピールすべきだね。
編集者って作家と合わなかったらどうするの?人間関係がキツそう…
編集者と作家の関係は「ビジネスパートナー」であり「友人」でもある独特なもの。合わないケースは正直ある。締め切りを守れない作家を叱咤激励したり、「この展開は面白くない」と言わなきゃいけないこともある。でも編集者が作家を「変える」のではなく、作家の持つ力を「最大化する」のが仕事。「この人の作品を世に出したい」という思いがあれば、多少の困難は乗り越えられる。どうしても合わない場合は担当替えもあるから、一人の作家との関係で人生が決まるわけではないよ。