数字で見るJTB
売上1兆円超、年収437万円——「規模は大きいのに利益が薄い」旅行業界の構造を数字で理解する。
知っておきたい数字
旅行事業売上内訳
4,360億円——国内パッケージ・個人手配・団体旅行
2,243億円——ルックJTB等(前年比141%増)
1,118億円——日本以外の旅行を海外拠点で手配
622億円——インバウンド向けツアー・MICE
約2,390億円——法人事業・イベント・地域交流
業績推移(直近3期)
| FY2023 | FY2024 | FY2025 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 9,797億円 | 1兆863億円 | 1兆733億円 |
| 営業利益 | 約90億円 | 約116億円 | 約150億円 |
| 営業利益率 | 約0.9% | 約1.1% | 約1.4% |
給与・待遇
| 平均年収 | 約437万円(口コミベース) |
| 初任給(大卒・首都圏) | 月額262,000円(基本242,000+地域手当20,000) |
| 初任給(大卒・関西) | 月額257,000円(基本242,000+地域手当15,000) |
| 賞与 | 年2回 |
| 勤務地 | 全国の支店・海外拠点。配属地域は入社時に希望を出せる |
| 福利厚生 | 社員旅行割引、添乗手当、資格取得支援 |
採用データ
| 新卒採用数 | 約300人(推定) |
| 文理比率 | 文系が約8割 |
| 男女比 | 女性が約6割(旅行業界全体の傾向) |
| 選考プロセス | ES → Web適性検査 → 面接2〜3回 → 内定 |
| 主な採用大学 | 早稲田・慶應・MARCH・関関同立中心。幅広い大学から採用 |
旅行業界主要企業比較
| JTB | HIS | 近ツー(KNT-CT) | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆733億円 | 約4,400億円 | 約3,700億円 |
| 営業利益率 | 約1.4% | 約2% | 約0.5% |
| 従業員数 | 約19,400人 | 約14,000人 | 約6,000人 |
| 平均年収 | 約437万円 | 約430万円 | 約400万円 |
| 上場 | 非上場 | 東証プライム | 東証スタンダード |
| 強み | 法人・MICE | 格安海外 | 修学旅行 |
ひよぺん対話
年収437万円って低くない?売上1兆円企業なのに...
正直に言うと低い。売上1兆円企業の平均年収ランキングでは最底辺クラス。原因は——
・旅行業界の営業利益率が約1%と極めて低い(売上は大きいが利益が薄い)
・非上場で株式報酬がない
・店舗スタッフを含む全社員の平均値であり、本社の総合職はもう少し高い
ただし30代総合職で500〜600万円、管理職で700〜800万円という口コミ。「全体平均437万円」は店舗含む数字なので、総合職のリアルとは多少ズレがある。
とはいえ、同規模の他業界と比べれば明確に低い。「旅行の仕事をするための対価」として納得できるかどうかだよ。
コロナ前の売上はどのくらいだったの?
推移を見ると——
・FY2019(コロナ前): 約1兆2,900億円
・FY2020(コロナ直撃): 約1,900億円(前年比85%減)
・FY2023: 約1兆860億円(回復)
・FY2025: 1兆733億円
コロナ前の約83%まで回復している。海外旅行は前年比141%増で急成長しているから、あと1〜2年で完全回復する見込み。
ただし従業員数は約26,000人→約19,400人に7,000人削減されたまま。「売上は戻ったが、人員は戻していない」=1人あたりの生産性は上がったとも言えるよ。
1兆733億円ってどのくらいの規模?
身近な企業と比較すると——
・ヤマト運輸の売上が約1兆8,000億円。JTBはヤマトの6割くらい
・スターバックス(日本)の売上が約2,700億円。JTBはスタバの約4倍
・JTBの1日の売上は約29億円。毎日29億円分の旅行を売っている計算
・「旅行業界の年間取扱高」で見ると、JTBのシェアは約25%。4分の1がJTBの取扱い
「非上場で知名度もあるのに、意外と財務情報が見えにくい」のがJTBの特徴。上場していないから株価も時価総額もない。