3分でわかる第一三共
頭痛のときのロキソニン、シミ対策のトランシーノ——身近なOTC医薬品の会社が、
がん治療の世界をADC技術で塗り替えつつあるグローバル製薬企業
国内製薬4位 × ADC技術で世界をリード
国内製薬トップ4 — 第一三共のポジション
武田が売上首位だが、ADC技術とパイプラインの質では第一三共が業界最注目。中外製薬はロシュグループの一員としてバイオ医薬に強く、アステラスはXTANDI(前立腺がん)が主力。
3つのキーワードで理解する
ADC(抗体薬物複合体)— 製薬業界のゲームチェンジャー
ADCとは、がん細胞だけを狙い撃ちする「ミサイル型の薬」。抗体(誘導ミサイル)に抗がん剤(弾頭)をくっつけて、正常な細胞を傷つけずにがんだけを攻撃する。第一三共はこの技術で世界トップクラスの評価を得ており、主力薬エンハーツはAstraZenecaとの提携で総額最大約7,500億円の契約を締結。「日本発の新薬が世界のがん治療を変えた」と言っても過言ではない。
エンハーツ — 史上最大級の乳がん治療薬へ
エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)は乳がん・胃がん・肺がん等に効果を示すADCのエース。2024年度のグローバル売上は6,500億円超で急成長中。適応がんの種類を拡大し続けており、今後も売上増が見込まれる。第一三共の株式時価総額が16兆円超に跳ね上がった最大の理由がこの薬。
パイプラインが企業価値 — 「次のエンハーツ」が5つある
製薬企業の価値は「今の売上」ではなく「開発中の新薬(パイプライン)の質」で決まる。第一三共はエンハーツに続く5つのADCを後期開発段階に持っており、2030年までにADC売上2兆円超を目指している。「1つの大型薬に依存するリスク」を次の5本の柱でヘッジしているのが強み。
身近な接点 — 実はこれも第一三共
頭痛・生理痛のとき手に取る鎮痛薬。第一三共ヘルスケアの代表商品
シミ対策の飲み薬・化粧品。ドラッグストアでおなじみ
敏感肌用のスキンケア・シャンプー。赤ちゃんにも使える
毎年の予防接種。第一三共バイオテックが製造
ひよぺん対話
第一三共って名前は聞くけど、ぶっちゃけ何がすごいの?
一言で言うと「日本発の新薬で世界のがん治療を変えた会社」。ADCという技術で作ったエンハーツが世界中で使われていて、売上は6,500億円超。この1つの薬だけで日本の製薬企業の中堅1社分の売上があるんだよ。しかもこれがまだ成長途中で、適応がんの種類を増やすたびに売上が伸びていく。株式時価総額は16兆円を超えて、トヨタ・ソニーに次ぐ日本有数の企業になった。
武田薬品と迷ってるんだけど、何が違うの?
分かりやすく言うと、武田は「でかい総合商社」、第一三共は「ADCに全振りした特化型」。武田は売上4.3兆円で日本最大だけど、消化器・神経・がんと領域が広い。第一三共はオンコロジー(がん)に集中投資して一点突破している。就活的に言えば、武田は「グローバルな大企業で幅広く経験したい人」、第一三共は「がん治療の最前線で世界を変えたい人」に向いてる。あと年収はどちらも1,100万円前後で、製薬の中ではトップクラスだよ。
製薬って理系しか入れないイメージだけど、文系でもいける?
全然いける。文系は主にMR(医薬情報担当者)として採用される。MRはお医者さんに薬の情報を届ける仕事で、コミュニケーション力が命。「営業」と言われるけど、値引き交渉はしないのが普通の営業と違うところ。薬の価格は国が決めるからね。ただ正直に言うと、MRは全国転勤+車での移動が基本。地方の病院を回ることも多い。東京配属は保証されないから、そこは覚悟が必要だよ。
製薬って安定してるの?「特許切れ」って聞くとちょっと不安...
鋭い質問。製薬最大のリスクはパテントクリフ(特許の崖)。主力薬の特許が切れるとジェネリック(後発薬)に一気にシェアを奪われる。第一三共も以前の主力だった高血圧薬オルメサルタンの特許切れで苦しんだ時期がある。でも今はエンハーツの特許が長期間残っているし、次世代のADC5本が控えているから、少なくとも2030年代前半までは成長が見込める。製薬は「パイプラインの質で将来性が決まる」業界で、その点では第一三共は今かなり強いポジションにいるよ。