3分でわかるダイセル
あなたの車のエアバッグはダイセル製かもしれない——
世界トップのインフレータと医薬品製造技術を持つ「ニッチトップ化学メーカー」
タカタ破綻後のシェア拡大で自動車安全部品の世界的プレイヤーに
事業セグメント — 4つの事業で稼ぐ
エアバッグのSafety SBUとセルロースのCellulose SBUが現在の2本柱。Medical SBU(キラル分離・医薬支援)とSmart SBU(EV材料)が成長の軸として育っている。
3つのキーワードで理解する
エアバッグインフレータで世界トップ——タカタ撤退後の勝者
車の衝突時に0.03秒でエアバッグを膨らませる「インフレータ(膨張装置)」。ダイセルは世界トップクラスのシェアを誇る。2017年のタカタ経営破綻後にさらにシェアを拡大。火薬技術を応用した精密な爆発制御技術は、簡単には追いつけない差別化の核。「自動車に乗るすべての人の命を守る」製品を作っている。
「キラル分離」で医薬品製造を支える——見えない技術の王者
キラル(光学異性体)とは、分子が鏡像関係にある構造。医薬品の有効成分には「正しい鏡像」だけが効果を持つものが多く、それを分離する技術がキラル分離。ダイセルはキラルカラム(分離に使うカラム)で世界トップシェア。世界中の製薬企業がダイセルの技術で薬を作っている。一般消費者には全く知られていない「縁の下の力持ち」。
「Safety・Smart・Medical」3軸への転換——火薬会社からの脱却
ダイセルの祖業は火薬(爆薬の原料)とセルロース(フィルム・繊維の原料)。今もその技術は生きているが、「自動車安全×医薬品製造支援×EV材料」の3軸への転換を進めている。エアバッグで自動車の安全を守り、キラル技術で製薬を支え、EV向けエンプラで電動化に貢献——「命と健康と環境に関わる化学会社」へ。
実はこんなところにダイセル
国産車・輸入車問わず、あなたの車のエアバッグに使われているインフレータはダイセル製の可能性が高い
服んでいる薬の有効成分は、ダイセルのキラルカラムで分離・精製されて製造されたかもしれない
紙巻きたばこのフィルター部分。セルロースアセテートトウはダイセルが世界有数のサプライヤー
液晶ディスプレイに使われる偏光板の原料「トリアセチルセルロース(TAC)」もダイセルの事業
ひよぺん対話
ダイセルって聞いたことなかったけど、すごい会社なの?
一般には知られていないけど、業界では「無視できない存在感」がある会社。エアバッグのインフレータで世界トップ、医薬品製造に使うキラルカラムで世界トップ——それぞれの業界では「ダイセルがなければ困る」という製品を持ってる。売上5,865億円で中堅化学メーカーだけど、「ニッチで世界一」という戦略で高収益を実現してる。
エアバッグのインフレータって何?どうすごいの?
車が事故にあった時、0.03秒でエアバッグを膨らませる「点火装置」のこと。火薬を使って瞬時にガスを発生させ、袋を膨らませる。これが遅かったり過大だったりすると逆に危険。ダイセルは長年の火薬技術を活かして精密な制御技術を持っている。タカタが品質問題で経営破綻した後、ダイセルに注文が殺到してシェアがさらに拡大した。世界中の自動車メーカーの「命綱」になってる。
ダイセルに入ったらどんな仕事するの?文系でも大丈夫?
文系は営業・管理・企画が中心。エアバッグの営業はトヨタ・ホンダ・日産などの完成車メーカーに「採用してください」と提案する仕事。キラル分離の営業は製薬会社に「うちのカラムで試作してみてください」と持ちかける。どちらも技術的な知識は入社後に習得できる。ただし採用人数が少なく(毎年約40〜50名程度)、かなり競争は厳しいよ。