3分でわかるサイバーエージェント
ABEMAでW杯を無料で観られたのも、ウマ娘で熱中したのも、Instagram広告のターゲティングも——
全部この会社の仕事。渋谷発、日本最大級の「自社サービスで戦うインターネット企業」。
1998年創業 | 藤田晋社長 | 新卒初任給 月42万円 | ABEMAが10年目で黒字化
「Webメガベンチャー」って結局なに?
サイバーエージェントはWebメガベンチャーと呼ばれる業種の代表格。NTTデータやNRIのような「SIer」とは全く違う業態だ。就活生が最も混乱するポイントなので、まず違いを整理しておこう。
- お客さん(銀行・省庁)のためにシステムを作る
- 自社の名前はエンドユーザーに見えない
- 1案件 数億〜数百億円の大規模プロジェクト
- プロジェクトは1〜5年単位の長期
- 品質・プロセス重視のカルチャー
- 自分たちでサービスを作ってユーザーに提供
- ABEMA、Amebaなど自社名が前面に出る
- ユーザー数・PV・売上で直接評価される
- 週次・月次で改善を回すスピード重視
- スピード・数字・若手抜擢のカルチャー
サイバーエージェントは後者。お客さんのためではなく、自分たちでユーザーを掴みに行くのが仕事の本質。ABEMAの番組を自分たちで企画し、ゲームを自分たちで開発し、広告も自分たちで運用する。「作品」や「サービス」に名前が残る仕事ができるのが、SIerにはない魅力だ。
あなたの生活を支えるサイバーエージェント
実は、あなたは日常的にサイバーエージェントのサービスに触れている。ABEMAで番組を見たり、SNSで広告を見たり、ゲームで遊んだり——気づかないうちにCAのサービスに囲まれているはず。
3つのキーワードで理解する
3つの事業が互いに支え合う構造
インターネット広告(祖業・最大セグメント)、ゲーム(Cygamesの大ヒット依存)、メディア&IP(ABEMA)の3本柱。広告とゲームで稼いだお金をABEMAに投資するという構造が2024年まで続き、2025年にABEMAが10年目で黒字化。これで3事業すべてが利益を生む構造になった。リスクを分散しながら成長する「ポートフォリオ経営」ができる数少ない日本のネット企業。
新卒抜擢の徹底
毎年約300名の新卒を採用し、入社数年で子会社社長や事業責任者に抜擢する仕組み(CAJJプログラム、あした会議)がある。20代で役員・社長になる社員が珍しくないのはCA最大の特徴。「一社目で価値あるキャリアを積めるかが人生を決める」という藤田晋社長の信念が背景にある。大手日系企業の年功序列とは対極のカルチャー。
28期連続増収の成長ベンチャー
1998年創業から28期連続で売上が伸び続けている——これは日本の上場企業でも極めて稀な記録。ABEMAの1,000億円超の累積赤字に耐えながら成長し続けられたのは、広告・ゲームの稼ぐ力と、創業社長の長期ビジョンの両輪があるから。「ベンチャーだけど事業基盤はしっかりしている」というバランスが、就活生人気の源泉。
藤田晋社長という存在
サイバーエージェントを理解する上で、創業社長・藤田晋の存在を無視できない。1998年に24歳で創業し、現在も代表取締役社長を務めている。日本の大企業では珍しい「創業者がずっと社長のままで経営する」会社で、これがCAの意思決定の速さと一貫性を支えている。
藤田晋の経営哲学(一部)
- 「21世紀を代表する会社を創る」——創業時からのミッション。単なる事業拡大ではない
- 「若手は抜擢することでしか育たない」——新卒数年で子会社社長を任せる文化の根拠
- 「一社目が人生を決める」——だから新卒採用に徹底的に投資する
- 「成長産業に身を置くべき」——学生向けメッセージとしても繰り返し発信
- 「撤退の覚悟を持ってチャレンジする」——ABEMAへの1,000億円投資を続けた根拠
面接では藤田社長の著書(『渋谷ではたらく社長の告白』『起業家』等)や発信を読んでおくと理解が深まる。「なぜCAか」を語る上で、藤田晋のビジョンに共感しているかどうかは隠れた評価ポイント。
ひよぺん対話
サイバーエージェントって広告代理店なの?IT企業なの?何が本業かよくわからない...
両方が本業、というのが正解だよ。創業時は「インターネット広告代理店」としてスタートしたから、今でも売上の最大セグメントはインターネット広告事業(約5,000億円規模)。ただその後、Ameba、ゲーム、ABEMAと自社サービスを次々立ち上げて、今は「広告+自社サービス」のハイブリッド企業になっているんだ。電通・博報堂のような伝統的な広告代理店とも、メルカリのような純粋なWebサービス企業とも違う、独自のポジションにいる会社。面接で「広告の会社ですか?」と聞くと微妙に外れるので注意——「広告・メディア・ゲームの3事業を持つインターネット企業」と理解しておくのが正確だよ。
NTTデータとかNRIとはどう違うの?どっちも「IT企業」って言われるとごっちゃになる...
実は全くの別業態だよ。一番わかりやすい違いは「誰のために仕事をしているか」。NTTデータやNRIは「お客さん(銀行や省庁)のシステムを作る」会社——これをSIer(システムインテグレーター)と言う。CAは「自分たちでサービスを作ってユーザーに届ける」会社——ABEMAやウマ娘は、お客さん企業のために作っているんじゃなくて、自分たちで企画して運営している。結果として働き方も全然違うよ。SIerはチームでじっくり数年かけて大規模システムを作るけど、CAは週次・月次でスピーディにユーザーの反応を見て改善を回す。年収・評価も対照的で、SIerは年功序列色が残るけどCAは20代で1,000万円超える社員も珍しくない。「ガッチリ型 vs スピード型」と理解すれば違いがクリアになるね。
ABEMAって1,000億円の赤字だったって本当?それなのになんでCAは潰れなかったの?
本当。2016年の開局から2024年までの約10年間で、メディア事業の累積赤字は1,000億円を超えたんだ。普通の会社なら数年で撤退しているレベルの赤字だよ。潰れなかった理由は3つ。①広告・ゲーム事業が圧倒的に儲かっていた——この2事業が毎年数百億円の営業利益を稼ぎ続けて、ABEMAの赤字を吸収できた。②創業社長の強い意志——藤田晋社長が「21世紀を代表する会社を創るには、テレビに代わる新しいメディアが必要」と考えて、株主の反対も押し切ってABEMAへの投資を続けた。③W杯全64試合無料中継などの大型施策——これで認知度が跳ね上がり、ユーザー数が増え、広告収入が増え、黒字化への道筋ができた。そして2025年9月期、ついに黒字化を達成。10年越しの壮大な賭けが実を結んだ瞬間。この意思決定ができるのは、サラリーマン社長じゃなくて創業社長だからこそだね。
「若手抜擢」「20代で子会社社長」ってよく聞くけど、本当にそんな人いるの?
本当にいるよ。CAは子会社を多数持つグループ構造で、「CAJJプログラム」「あした会議」など、若手が新規事業を提案して子会社化する仕組みがある。優秀な社員は入社3〜5年目で子会社社長や事業責任者に就任するケースが実際にある。ただし誤解してはいけないのは、全員が抜擢されるわけじゃないこと。抜擢されるのは数字で圧倒的な成果を出した一部の社員だけで、大半の社員は通常のキャリアパスを歩む。「抜擢される可能性がある」環境と「全員が抜擢される」環境は違うので、そこは冷静に見ておこう。それでも、大手SIerの年功序列と比べれば20代の裁量は圧倒的に大きい。若いうちに経営に近いポジションで経験を積みたい人には、日本でもっとも適した環境の一つだと言えるよ。
売上8,740億円とか28期連続増収って言われても規模感がわからない... どのくらいすごいの?
身近なものに置き換えると、売上8,740億円はコナミ(約4,000億円)の倍、バンダイナムコHD(約1.2兆円)の7割くらい。日本のインターネット企業としては楽天、Zホールディングス(ヤフー・LINE)に次ぐ規模で、メルカリやDeNAより大きい。28期連続増収はもっとすごくて、日本の上場企業約3,800社のうち、これを達成している会社は数十社しかない超レアな記録。しかも創業から一度も赤字決算になっていない——リーマンショックもコロナ禍も乗り越えて成長し続けているから、「ベンチャーっぽい自由さ」と「大企業レベルの安定性」の両方を持っている稀有な会社と言える。就活生にとっては「安心して冒険できる会社」という見方もできるね。