ゼンショーHDの仕事内容を知る
「すき家の会社」という印象を超えて——外食コングロマリットの本社総合職が担う、チェーン戦略・海外展開・M&A・DXの仕事を解説します。
プロジェクト事例で知る仕事のリアル
すき家の海外展開——アジアへの牛丼文化の輸出
2025年3月期時点で海外652店舗のすき家を運営。中国・タイ・インドネシア等で展開し、現地の食文化に合わせたメニューのローカライズを実施。現地パートナー企業との合弁やFC契約を組み合わせ、スピーディーな出店を実現。海外事業の担当者は現地市場のリサーチ・交渉・開業準備まで携わる。
M&Aによるブランドポートフォリオ拡大
ロッテリア・ビッグボーイ・ジョリーパスタ等を買収し、牛丼チェーン1社から外食コングロマリットへ成長。M&Aチームは買収ターゲットの財務分析・デューデリジェンス・統合後のPMI(Post Merger Integration)を担当。外食業界は中小チェーンが多く、今後も再編が加速する見込み。
すき家の新メニュー開発——「牛丼だけじゃない」への変革
すき家は単品牛丼から朝食メニュー・カレー・定食・デザートまで拡充し、客単価アップと来店頻度向上を実現。商品開発チームが消費者調査・原価計算・工場との調整・プロモーションまで一貫して担当。2025年3月期の月次客数は安定的に推移し、業界最大のチェーンとしての地位を維持。
食材一括調達DX——グループ全店へのコスト競争力
30以上のブランド・15,000店舗で使う食材・調味料・包材を一括で調達することでバイイングパワーを発揮。需要予測AIを活用した発注最適化で廃棄ロスを削減し、食材コストを抑制。サプライチェーン管理(SCM)の高度化が「安くておいしい」を維持する競争力の源泉となっている。
事業領域の全体像
チェーン運営・店舗戦略
消費者・加盟店(FC)すき家・はま寿司・なか卯など主力ブランドの店舗運営。出店立地の選定・店舗設計・品質基準の策定・スタッフ育成を担う。2025年3月期のすき家国内店舗数は1,969店舗。メニュー開発・価格戦略・プロモーションも国内事業の範囲。
海外事業
現地消費者・FCパートナー中国・東南アジアを中心に展開。すき家・はま寿司を海外に出店するほか、現地FC契約・合弁会社の設立で急速に規模を拡大。2025年3月期のグループ海外店舗数(FC含む)は9,772店舗超。
M&A・グループ経営
被買収企業・グループ各社ビッグボーイ・ジョリーパスタ・ロッテリアなど多数のブランドをM&Aで取り込んだ。グループ30以上のブランドを統一の財務・物流・調達の仕組みで管理。持株会社(HD)の経営企画・財務チームが担当。
DX・SCM・IT
グループ各ブランド・サプライヤー食材の一括購買・需要予測・物流最適化をデジタルで推進。セルフレジ・モバイルオーダー・アプリ会員基盤の整備で顧客体験を向上。グループ規模のデータを活用した発注自動化・廃棄ロス削減が競争力の源泉。
ひよぺん対話
本社総合職に入社したとして、最初から経営企画みたいな仕事できるの?
ゼンショーでは入社後に現場(店舗)研修がある。すき家の店舗でアルバイトと同じ業務を経験してから本社配属というパターンが多い。「なんで店舗研修が必要なの?」と思うかもしれないけど、「食材の廃棄はどこで発生するか」「ピーク時間の混み具合はどれくらいか」を体で理解している本社スタッフと、データしか知らないスタッフとでは戦略の質が全く違う。現場を知ることが外食ビジネスの強さに繋がる——「現場主義」がゼンショーのカルチャーだと思っておくといい。
M&Aの仕事って新卒でも関われるの?すごくハードル高そう
新卒1年目からM&Aの意思決定には関われないけど、3〜5年目でM&Aチームに異動するルートはある。ゼンショーのM&Aは外部のFAやコンサルに頼り切るのではなく「内製化」している部分が多い。デューデリジェンスの資料整理・市場調査・統合後のPMIなど、若手でも実務に入れる機会がある。「M&Aをやりたい」ならむしろ外資系IBANKよりもゼンショーのほうが早く当事者として動けるかもしれない。ただし業界知識と財務の基礎は入社前から積んでおくべきだよ。