📊 数字で見るリクルート
リクルートの売上3.5兆円は「人材派遣の規模」と「HRテクノロジーの利益率」と「販促プラットフォームの安定性」で構成されている。数字の裏にある構造を理解しよう。
知っておきたい数字
セグメント別売上構成
リクルートスタッフィング+RGF Staffing。売上最大だが利益率は低い
Indeed・Glassdoor。EBITDAマージン35.9%の高収益エンジン
SUUMO・ホットペッパー・じゃらん等。国内マッチングの柱
リクナビ・リクルートエージェント等。2025年4月にHRテクノロジーへ移管
※ 2025年4月よりHR領域はHRテクノロジー事業に移管。上記はFY2024(2025年3月期)時点の構成。IFRS基準。
給与・待遇
| 平均年収(HD) | 1,145万円(持株会社128名の平均。平均年齢40.5歳) |
| 初任給 | 月給326,551円(基準給252,813円+グレード手当73,738円)。全コース一律 |
| 年収例(初年度) | 約470万円(月給×12+賞与) |
| 年収推移(目安) | 3年目: 550〜650万円 → マネージャー: 800〜1,000万円 → GM: 1,200万円〜 |
| 残業時間 | 22.6時間/月(2024年度実績) |
| 有給取得率 | 58.4%(2024年度実績) |
| リモートワーク | 出社率43%。理由・回数の制限なく在宅勤務可 |
※ HD年収は有価証券報告書ベース。事業会社(株式会社リクルート)の年収は非公開のため目安。初任給にグレード手当が含まれる点に注意。
採用データ
| 新卒採用人数 | 461名(2024年度実績) |
| 男女比 | 男性301名(65%): 女性160名(35%) |
| 中途比率 | 約80%(新卒より中途が圧倒的に多い) |
| 離職率 | 全体: 9.7% / 正社員自主離職: 6.6% |
| 平均勤続年数 | 8.5年 |
| 採用コース | ビジネスグロース / プロダクトグロース / エンジニア / データスペシャリスト / デザイン |
※ 離職率は3年限定契約社員(CV職)を含む全体値と、正社員の自主離職率で分けて記載。
業績推移(直近3期)
| FY2022 | FY2023 | FY2024 | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 3兆4,295億円 | 3兆4,164億円 | 3兆5,574億円 |
| 営業利益 | 3,443億円 | 4,025億円 | 4,905億円 |
| 営業利益率 | 10.0% | 11.8% | 13.8% |
※ IFRS基準。FY2022は人員削減コスト等で減益。FY2023-2024はIndeedの利益率改善で大幅増益。FY2025予想は売上3兆6,647億円、営業利益5,906億円(利益率16.1%)。
業界内比較テーブル
| リクルートHD | パーソルHD | エン・ジャパン | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 3兆5,574億円 | 1兆4,512億円 | 657億円 |
| 営業利益 | 4,905億円 | 574億円 | 59億円 |
| 営業利益率 | 13.8% | 4.0% | 9.0% |
| 時価総額 | 10兆円超 | 約8,000億円 | 約2,500億円 |
| グローバル展開 | Indeed(世界No.1) | PERSOLKELLY(アジア) | 国内中心 |
| 販促事業 | SUUMO等多数 | なし | なし |
| SaaS事業 | Airシリーズ | 小規模 | なし |
※ リクルートの時価総額はパーソルの約13倍。利益率もパーソルの3倍以上。「同じ人材業界」でも、企業の性質は全く異なる。
ひよぺん対話
年収ぶっちゃけどのくらい?有報の「1,145万円」は信じていいの?
信じちゃダメ。あれはHD(持株会社)のたった128人の平均。経営企画や財務のプロフェッショナルしかいないから高いのは当然。新卒が入る株式会社リクルートの年収水準は別。初年度約470万円、3年目で550〜650万円、マネージャー(5〜7年目)で800〜1,000万円、グループマネージャーで1,200万円以上が目安。大手の中では高い部類だけど、平均勤続8.5年で「生涯年収で比較」するとメガバンクやメーカーに負ける可能性がある。リクルートは「短期集中で鍛えて次に行く」場所だよ。
残業はどのくらい?ブラックなイメージがあるんだけど…
公式データでは月22.6時間。大手企業の平均並みだね。ただし「成果さえ出せば早く帰れる」し「成果を出すために自主的に長く働く」人もいる。リモートワーク率は約57%(出社率43%)で、理由・回数の制限なく在宅勤務OK。「ブラック」というより「成果主義で自己管理」が正確な表現。有給取得率58.4%はやや低めだけど、これもリモートで仕事とプライベートの境界が曖昧になっている影響もある。
人材派遣が売上の半分近くなのに、なんで「テクノロジー企業」って言えるの?
いい質問。売上の47%は確かに人材派遣だけど、利益の大部分はHRテクノロジー(Indeed)と販促領域から出ている。IndeedのEBITDAマージンは35.9%で、派遣のマージン(10〜15%)とは桁違い。株式市場もリクルートを「派遣会社」ではなく「テクノロジー企業」として評価していて、時価総額は10兆円超。PER(株価収益率)もテック企業並み。「売上構造」と「利益構造」と「市場の評価」は全然違うということだね。
新卒で461名も採るって多くない?
連結49,000人の規模を考えると多くはないよ。しかも中途採用比率が約80%。リクルートは「新卒より中途」の会社。461名のうち男性65%・女性35%。採用コースは5つ(ビジネスグロース、プロダクトグロース、エンジニア、データスペシャリスト、デザイン)で、ビジネスグロースが最多。文理比は非公開だけど、コース別に見ると文系はビジネスグロース、理系はエンジニア・データスペシャリストに集中する。
初任給32.7万円は高い?他社と比べてどう?
大手企業の中ではかなり高い部類。メガバンク(三菱UFJ: 25.5万円)、NTTデータ(26万円)、ソニー(29万円)と比べても上。ただし内訳は基準給25.3万円+グレード手当7.4万円で、グレード手当は実質的に見込み残業のようなもの。年収換算で約470万円(賞与含む)。注意すべきは「ここから先は成果次第」ということ。年功で自動的に上がるわけじゃない。