仕事内容を知る
NRIの仕事を理解するには、「4つの事業セグメント」と「3つの職種」の掛け算で考える。
入社後は職種別の採用で配属され、いずれかのセグメントのプロジェクトに加わる。
NRIの3つの職種(新卒コース)
NRIの新卒採用は職種別採用が特徴。ES提出の段階で「どの職種で入るか」を決める必要がある。配属ガチャが比較的起きにくい仕組み。
経営コンサルタント / ITコンサルタント
お客さんの経営課題や業務課題を調査・分析し、解決策を提案する。戦略系ファームのような純粋な経営コンサルから、ITを使った業務改革まで幅広い。採用数は比較的少なく狭き門。
アプリケーションエンジニア(AE)
NRIの主力職種で最も採用人数が多い。お客さんの業務を理解し、それをITシステムとして設計・開発・運用する。NRIでは「SE」ではなく「AE」と呼ぶのが特徴。単なるコーダーではなく、要件定義から運用まで一気通貫で担当する。
テクニカルエンジニア(TE)
クラウド、ネットワーク、サーバー、セキュリティ、データベースなどIT基盤を設計・構築・運用する技術特化職。証券業界のミッションクリティカルなシステムを支えるインフラの専門家として活躍する。
こんなプロジェクトがある
NRIの仕事はプロジェクト単位で動く。代表的なプロジェクトのイメージを紹介する。
証券バックオフィスシステム「T-STAR/GX」の機能強化
大手証券会社が利用する基幹システムT-STAR/GXに、新しい金融商品(例: 投資信託の新スキーム)への対応や、金融庁の規制変更対応を実装するプロジェクト。1円のズレも許されない証券計理の世界で、品質管理の極みを体験できる。
大手保険会社のDX戦略策定
伝統的な保険会社が、顧客接点のデジタル化・営業支援AIの導入・業務プロセスの再設計をどう進めるかを提言するプロジェクト。「絵を描くだけで終わらない」のがNRI流で、提言後にそのまま実装プロジェクトへ移行することが多い。
大手小売のサプライチェーン最適化システム
セブン&アイなど大手小売の発注・在庫・物流を最適化するシステムを構築。店舗のPOSデータ、天候、地域イベントなどを組み合わせ、AIで需要予測をリアルタイムに行う。NRIが数十年培ってきた小売ドメイン知識がものを言う案件。
証券業界共同利用システムのクラウド移行
長年オンプレミスで運用してきた共同利用型システム(STAR-IV等)をハイブリッドクラウドに移行するプロジェクト。「絶対に止めてはいけない」ミッションクリティカルシステムをAWSやAzureにどう載せ替えるかは、技術者にとって最高難度のチャレンジ。
金融機関向け生成AI導入支援
大手銀行・証券会社の業務に生成AI(ChatGPT系)をどう組み込むかを提案し、実装するプロジェクト。コールセンターの応答支援、リサーチレポートの下書き生成、社内ナレッジ検索など、金融特有のコンプライアンス要件をクリアしながら導入する難しさがある。
4つの事業セグメント
NRIの売上は以下の4セグメントで構成される(FY2025 売上7,648億円ベース)。
コンサルティング
経営層、政策立案者、DX推進部門経営コンサル、DXコンサル、社会システムコンサル、システムコンサルの4部門で構成。NRIの「顔」で、売上比率は小さいが、ここから大型IT案件が生まれる入口になっている。マッキンゼーやBCGと違い、IT実装まで責任を持つのが特徴。
金融ITソリューション
証券会社、保険会社、銀行、信託NRIの最大セグメントで全売上の約45%を占める。証券バックオフィスシステム(T-STAR/GX、STAR-IV、BESTWAY)は業界デファクトで、日本の証券会社の過半数がNRIのシステムで動いている。参入障壁が極めて高く、高収益の源泉。
産業ITソリューション
流通、製造、サービス業セブン&アイ・ホールディングスとの長年の取引を軸に、小売・流通業のDXに強み。最近は製造業や運輸・エネルギー業界にも領域を拡大中。金融ほど専門性が要求されない分、幅広い業界を経験できるのが魅力。
IT基盤サービス
全セグメントの横断支援データセンター運営、クラウドサービス、セキュリティ、運用監視など。NRIのデータセンターは証券業界の基幹システムを支える日本屈指のミッションクリティカル基盤。テクニカルエンジニアの主戦場で、近年は外販クラウドサービス「mPLAT」も拡大中。
NRIプロジェクトの流れと若手の関わり方
ひよぺん対話
NRIのコンサルってマッキンゼーとかBCGと何が違うの?同じじゃないの?
似てるようで、大きな違いがあるよ。マッキンゼーやBCGは「戦略提言まで」が仕事。「こういう戦略がいいですよ」とレポートを渡したら、あとはお客さんか他のIT会社が実装する。一方NRIは「戦略提言 → 実装 → 運用まで」全部を一つの会社でやる。だから提案書に「こうすれば良くなります」と書いた内容を、自分たちが本当に作って動かさなきゃいけない。これには覚悟が必要で、「実現できない絵は描かない」という責任感が前提になる。一方で「自分の提案したものが実際に動く」という醍醐味はNRIの方が圧倒的に大きいと言えるよ。報酬はマッキンゼー・BCGの方がトップコンサルでは高いけど、NRIも20代後半で1,000万円以上に到達する水準だから、悪くはないね。
ESで「アプリケーションエンジニア」と「コンサル」どっちで出すか悩んでる。どう違うの?
これはNRI志望者のよくある悩みだね。ざっくり言うと、「経営課題を構造化する仕事」がメインならコンサル、「システムを通じて業務を変える仕事」がメインならAE。コンサルは採用人数が少ない(各年20〜50人程度)狭き門で、戦略系コンサル志望者とのガチンコ勝負になる。AEは採用人数が多く(年300〜350人)、入社してから上流のコンサル的な仕事にも関われる——実はNRIのAEは、他社のSEよりもコンサル寄りの仕事が多いんだ。「コンサルに落ちたらAEに回る」というより、「どちらも魅力的だけど、実装まで責任を持ちたいならAE、最初から経営層と話したいならコンサル」と考えると選びやすいよ。迷うなら、両方の選考を受けて雰囲気を比較するのも手だね。
NRI=証券業界って感じがするけど、証券とか金融に興味なくても大丈夫?
正直に言うと、金融セグメントが売上の約45%を占めるから、入社したら金融系の部署に配属される確率は高い。金融に全く興味がないと最初は戸惑うかもしれない。ただし、NRIには産業IT(流通・製造)やコンサル部門もあるから、金融以外の道も用意されている。入社前の面談で希望はちゃんと聞いてくれるよ。それに、「最初は金融に興味がなかったけど、証券システムの奥深さに触れて面白さに目覚めた」という先輩も多い——証券システムは日本で最も技術的に複雑なシステムの一つだから、技術者として学べることが山ほどある。「金融が嫌い」でなければ、学ぶ価値はあるドメインだよ。
NRIの「アプリケーションエンジニア」って、ぶっちゃけプログラミングばっかりなの?
プログラミングだけやる仕事ではないよ。むしろ逆で、NRIのAEは上流工程の比率がかなり高いのが特徴。要件定義、お客さんとの折衝、設計書作成、プロジェクトマネジメントが仕事の中心で、実際のコーディングはパートナー会社(協力会社)やオフショアに任せることが多い。これは「AEは業務理解と設計で勝負する職種」という考え方によるもの。もちろん1〜2年目は自分でコードを書く機会もあるけど、キャリアが上がるにつれて「コードを書く時間よりも、ドキュメント書いて人と話す時間の方が増える」のが実態。技術を極めて手を動かし続けたい人は、AEよりもテクニカルエンジニア(TE)の方が合っているかもしれないね。
プロジェクトってずっと同じお客さんの仕事するの?飽きない?
NRIは金融系など大型顧客との取引が長期化する傾向があって、同じお客さんのシステムに5〜10年単位で関わることもある。「飽きる」かどうかは人による——業務ドメインの専門家になっていく醍醐味はあるし、同じお客さんでも案件内容は変化していく(新システム構築→機能追加→クラウド移行→AI導入...)。ただ「いろんな業界を経験したい」タイプの人には合わないかもしれない。そういう人は社内公募制度を使えば3〜5年おきに異動もできるし、産業ITやコンサル部門への移動も可能。「1つの顧客と深く関わりたい人」と「浅く広く経験したい人」で、選ぶ職種・セグメントが変わってくるね。