👔 働く環境とキャリアパス
「霞が関で最も過酷、だからこそ最もやりがいがある」——厚労省のキャリアパスと、ブラックな労働環境の正直な話。
キャリアステップ
制度の現場を体で覚える
- 入省後すぐに課(係)に配属。医療・年金・雇用・福祉のいずれかの分野で政策立案を担当
- 2年目で法律改正の担当や審議会の運営を任されることも
- 国会対応が最大の負荷。答弁資料の作成で深夜業務は日常
- 都道府県労働局への出向で現場(ハローワーク・労働基準監督署)を経験
- 2〜3年で別の局に異動。医療→雇用→年金のように幅広い分野を経験
海外経験と専門性の確立
- 海外留学(ハーバード・LSE・ジョンズホプキンス等)の機会。公衆衛生学・社会政策が人気
- WHO(世界保健機関)・ILO(国際労働機関)への出向
- 在外公館で社会保障・労働分野の国際交渉を担当
- 帰国後は課長補佐に昇進。政策の企画立案で実質的な決定権を持つ
- 内閣官房・内閣府への出向で政府全体の社会保障政策に関わる
政策の設計者へ
- 課長に昇進(30代後半〜40代前半)。審議会の運営、業界団体との交渉を主導
- 社会保障審議会の事務局として制度改革の議論を設計
- 大臣・官房長官へのブリーフィング、国会答弁の最終調整
- 医療・年金・雇用のいずれかの分野で深い専門性を確立
社会保障制度の舵取り
- 審議官・局長として省の政策方針を決定
- 事務次官は約3.3万人の職員のトップ
- 退職後は医療・福祉関連団体の理事長、大学教授、独立行政法人の長等
- 社会保障分野のシンクタンク・コンサルへの転身も増加中
育成・研修制度
海外留学制度
入省5年目前後でハーバード・LSE・ジョンズホプキンス等に2年間留学。公衆衛生学修士(MPH)・社会政策修士が人気。費用は国費。WHO・ILOへの出向に繋がるキャリアパス。
国際機関出向
WHO(世界保健機関)・ILO(国際労働機関)への出向で国際的な社会保障政策に関わる。感染症対策や労働基準の国際的なルール形成に参画。
都道府県労働局出向
都道府県労働局に1〜2年出向し、ハローワークの運営・労働基準監督署の指導を経験。「制度を作る側」と「運用する側」の両方を知る。
OJT中心の育成
研修よりも「現場で覚える」文化。入省直後から法律改正や予算要求の主担当を任される。先輩のレビューを受けながら短期間で実戦力に。
2〜3年ごとのローテーション
医療→雇用→年金→福祉のように、厚労省の幅広い政策分野をローテーションで経験。ジェネラリストとしての視野を広げる。
向いている人 / 向いていない人
向いている人
- 「社会保障で国民を守りたい」という使命感がある人。年金・医療・雇用は国の根幹
- 法律で社会を変えたい人。労働基準法の改正1本で日本中の働き方が変わる
- ハードワークを覚悟できる人。残業は霞が関ワーストクラスだが、その分のやりがいは絶大
- 「ゆりかごから墓場まで」幅広い政策に興味がある人。ローテーションで多様な分野を経験
- 国際的な社会保障に興味がある人。WHO・ILOへの出向機会がある
向いていない人
- ワークライフバランスを最優先する人。月70〜90時間の残業は覚悟が必要
- 年収で同世代に負けたくない人。コンサルや外資の半分以下の給与
- 「感謝される仕事」がしたい人。年金改革や医療費抑制は国民から批判されがち
- 短期で成果を出したい人。社会保障制度の改革は10年単位の取り組み
- メンタルが強くない人。国会対応・マスコミ報道・SNS炎上のストレスは大きい
ひよぺん対話
正直、ブラックすぎて辞める人多いんでしょ?
正直に言うと、若手の離職は問題になってる。入省5年以内の離職率は上がっていて、転職先はコンサル・民間の医療系企業・シンクタンクが多い。理由は①残業の多さ、②国会対応の不毛さ、③年収格差。ただ、辞めた人も「厚労省での経験は宝」と言うのが面白いところ。社会保障の制度設計力は民間では得られないスキルで、転職市場で高く評価される。「5年で辞めてもキャリアにプラス」という見方もあるよ。
コロナのときみたいな緊急事態が来たら、またあの激務?
コロナ禍では一部の部署で月300時間超の残業があった。これは異常事態だったけど、感染症はまた来る。新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、未知のウイルス——厚労省にいる限り、次のパンデミック対応は「いつか来る仕事」。ただしコロナの反省から内閣感染症危機管理統括庁が新設され、厚労省だけに負荷が集中しない体制は整備されつつある。それでも完全に楽になることはないと覚悟しておいたほうがいい。
女性の活躍はどう?
厚労省は霞が関の中でも女性比率が比較的高い省庁。総合職の女性採用比率は約40%。「女性の働き方」を所管する省庁だから、自らが率先して女性活躍を推進しなければならない立場。育休・時短勤務の制度は整ってるし、女性管理職も増えてる。ただし国会対応で深夜に呼び出される部署で時短勤務は現実的に厳しい場面もある。部署によって天と地の差があるのが正直なところ。