🚀 ライオンの成長戦略と将来性

「歯磨きメーカーの将来性って?」——EV参入・海外展開・習慣化ビジネスの成長戦略を解説。

なぜライオンは潰れにくいのか

毎日使う習慣品は景気に左右されない

歯磨き・洗濯・手洗いは不況でも必ず続ける生活習慣。製品購入頻度が下がることはあっても、完全にやめることはない。リーマンショック・コロナ禍でもライオンの売上は大きく崩れなかった。

ブランド認知の高さが参入障壁

「システマ」「NANOX」「キレイキレイ」は数十年かけて培われたブランドへの信頼。新規参入者がすぐにドラッグストアの棚を奪うことはできない。小売チェーンとの長年の関係性も参入障壁。

産業用品のBtoBで景気変動を分散

消費財は需要が安定しているが、産業用品はBtoBで別の景気サイクルで動く。特にEV向けカーボンは電池市場の成長に連動。消費財の安定性とBtoBの成長性が組み合わさる構造。

成長エンジン

Vision2030 2nd STAGE:利益率の引き上げ

2026〜2030年の中期計画では利益率の継続的な改善を目標。価格改定の浸透、コスト削減の継続、収益性の高いカテゴリへのシフトが柱。2024〜2025年の大幅増益はその先駆けとして評価されている。

海外事業の拡大(アジア中心)

タイ・マレーシア・韓国など東南アジア・アジアでのシェア拡大。オーラルケア製品は「日本品質」の訴求が効果的。海外売上比率は現在38%で、2030年に向けてさらに伸ばす方針。

産業用品のEV向け成長

二次電池用導電性カーボンはEVシフトの直接的な恩恵を受ける事業。自動車の電動化が進むほどライオンの産業用品事業が伸びる構造。消費財メーカーとして意外な成長エンジンを持つ。

価格改定戦略

原材料費の高騰を受け、適切な価格改定(値上げ)を実施。消費者に受け入れられた価格改定は収益率の改善につながる。「安売り競争」から「価値訴求型」へのシフト。

Vision2030 2nd STAGE

Vision2030 2nd STAGEの方向性(2026〜2030年)

  • 収益性の継続改善: 営業利益率の向上。価格改定の定着とコスト削減の継続
  • 海外事業の拡大: アジア中心のオーラルケア製品の浸透。海外比率をさらに高める
  • 習慣化ビジネスの進化: サブスクリプション型・定期購入モデルへの転換を模索
  • 産業用品の成長加速: EV電池向けカーボン素材の市場開拓

2025年12月期に営業利益363億円(前年比+28%増)を達成。収益構造改革の成果が出ており、2030年に向けて積み上げ段階に入っている。

AIで変わること / 変わらないこと

変わること

  • 消費者インサイトの分析: SNS・購買データのAI解析で「口腔ケアへの不安・悩み」を事前に発見
  • 製品開発の最適化: 成分配合のシミュレーションをAIが行い、試作品の数を削減
  • 工場の自動検査: AIビジョンで製品の品質不良をリアルタイム検出。人手による目視検査を補完
  • 需要予測の精度向上: 季節・天候・購買トレンドをAIが統合し、生産計画の効率化

変わらないこと

  • 「使い心地・泡立ち・味」の感性評価: 口の中で感じる感覚はAIには代替できない官能評価
  • 歯科医師・歯科衛生士との信頼関係: 専門家への学術的な提案・関係構築は人間の仕事
  • 消費者の習慣変容サポート: 「正しい歯磨きを普及する」という社会的使命は人が担う
  • 倫理的な製品安全判断: 新成分の安全性評価、トレードオフの判断は人間が責任を持つ

ひよぺん対話

ひよこ

ライオンって30年後も大丈夫?歯磨きって将来も売れるの?

ペンギン

歯磨きはなくならない習慣。虫歯・歯周病への意識が高まるほど、高機能な歯磨き粉の需要は増える。日本の高齢化で「歯の健康=全身の健康」という認識が広まれば、オーラルケア市場はむしろ拡大する可能性がある。海外ではまだ高機能歯磨き粉が普及していない市場も多くて、そこがライオンの成長余地。「歯磨きメーカーは安泰」と言っていい。

ひよこ

EVで恩恵を受けるって本当?日用品メーカーなのに?

ペンギン

本当。ライオンの産業用品部門が作る導電性カーボンはリチウムイオン電池の性能を上げる素材。EVが増えれば電池が増えてライオンのカーボン需要も増える。「歯磨き粉の会社がEVに関係するとは」という面白いポイントで、面接で話すとインパクトがある。売上全体では9%程度だけど、成長率は本体事業より高い。

ひよこ

AIで歯磨き粉の研究職ってなくなる?

ペンギン

なくならない。歯磨き研究の核心は「口の中の体験」——味・泡立ち・スッキリ感——これは機械では評価できない。研究者がサンプルを口に入れて評価する「官能評価」はAIには代替不可能。AIが変えるのは「成分のスクリーニング」「配合の最適化」の効率化。研究者の仕事量は減るかもしれないけど、最終的な判断は人間がする仕事であり続ける。