栗田工業の仕事内容

「水を制する者が製造業を制す」——半導体の超純水から工場廃水処理まで、水処理の専門家が担う仕事のリアル。

💻 電子・半導体向け 超純水・廃水処理
TSMCほか半導体工場
🏭 一般工業向け ボイラー・冷却水
発電・鉄鋼・化学
🌊 環境・廃水処理 廃水処理・ゼロ排水
環境規制対応
🌏 グローバル事業 北米・欧州・アジア
海外水処理市場

プロジェクト事例で見る仕事のリアル

半導体超純水 半導体工場 / チーム10〜30名

新規半導体工場への超純水システム一括設計・施工

国内半導体メーカーの新工場建設に際し、超純水製造プラントの設計から施工・試運転まで一括受注するプロジェクト。「1日数万トンの超純水を安定供給できる」システムを2〜3年かけて構築する。栗田工業の技術営業・エンジニア・施工部隊が連携する大型プロジェクト。

👤 若手の関わり方 若手技術営業は工場の施設担当・生産技術担当との窓口として仕様調整と進捗管理を担当。独り立ちで大型案件の主担当になるのは入社5〜7年目以降
一般工業・薬品管理 食品・鉄鋼・化学工場 / チーム2〜5名

製造工場のボイラー水管理——薬品最適化コンサルティング

ボイラー・冷却水の水質管理薬品を供給し、水質データを定期的に分析してスケール(水垢)や腐食を防ぐ月次管理サービス。「薬品を売って終わり」ではなく、水質データのモニタリング・分析を提供する「水処理コンサルティング」としての価値提案が重要。

👤 若手の関わり方 文系出身の技術営業が担当することも多い。月1〜2回の定期訪問で工場担当者と水質データをレビュー。「水のかかりつけ医」として長期的な信頼関係を築く
廃水処理 自治体・大型工場 / チーム5〜20名

工場廃水ゼロエミッション化——排水リサイクルシステムの構築

環境規制の強化と脱炭素目標を背景に、工場から出る廃水を100%リサイクルする「ゼロ排水(ZLD)システム」の設計・施工。半導体工場・電池工場・化学工場など廃水に有害物質を含む製造業での需要が急増。水資源の有効活用と環境コンプライアンスを同時に達成する提案。

👤 若手の関わり方 エンジニアが廃水の水質分析・処理プロセスの設計・試験を担当。技術営業は環境担当・経営企画など幅広いステークホルダーへの提案を行う
グローバル事業 北米・欧州・アジア / チーム5〜15名

北米での工業用水処理サービス拡大——M&A後の統合営業

栗田工業は北米でのM&A(Pentagon Technologies Group等)を通じて海外水処理事業を拡大してきた。買収した会社の顧客基盤と栗田工業の技術・製品を組み合わせて「グローバル水処理ソリューション企業」へと発展する取り組みが続いている。現地スタッフとの連携・英語でのビジネスが日常。

👤 若手の関わり方 海外事業部の若手は現地法人との調整・英語での技術資料作成・海外出張を担当。入社3〜4年目で海外勤務の機会

事業領域マップ

💻

電子・半導体向け水処理

半導体メーカー・FPD(液晶・有機EL)工場

超純水製造システム: 半導体製造に必要な不純物濃度ppbレベル以下の超純水を製造する大型システム。栗田工業の技術の核心
廃水処理・リサイクルシステム: 半導体工場から出るフッ酸・アンモニア・重金属を含む廃水を無害化・再利用
薬液管理システム: 製造プロセスで使う薬液の純度管理・自動供給システム
運転管理サービス: 超純水システムの24時間監視・定期メンテナンスを受託

売上比率(推定)
売上の約35%。半導体投資で急成長 最注目
🏭

一般工業向け水処理

発電所・鉄鋼・化学・食品・製紙工場

ボイラー水処理薬品: スケール防止・腐食防止・ pH調整薬品。発電所・化学工場のボイラー保護
冷却水処理薬品: 冷却塔・熱交換器のスケール・腐食・微生物汚染を防ぐ薬品
純水・軟水製造装置: イオン交換樹脂・逆浸透膜を使った工業用純水・軟水の製造システム
水処理管理サービス: 月次の水質測定・データ解析・改善提案を含む継続サービス

売上比率(推定)
売上の約40%。安定した収益の柱 安定収益
🌊

環境・廃水処理

工場・自治体・建設業

産業廃水処理システム: 工場からの有害廃水(重金属・有機物等)を無害化する装置・システム
ゼロ液排水(ZLD)システム: 廃水を100%リサイクルし工場外排出をゼロにする最先端技術
汚泥処理: 廃水処理で発生する汚泥の脱水・乾燥・再利用システム
土壌・地下水浄化: 工場跡地の土壌汚染・地下水汚染を浄化するコンサルティング

売上比率(推定)
売上の約15%。環境規制強化で成長 成長領域
🌏

グローバル事業

世界の半導体・製造・電力・食品工場

北米水処理事業: Pentagon Technologies Groupの買収を通じて北米での水処理サービスを拡大
アジア・中国事業: 台湾・韓国・中国の半導体・電子産業向けに超純水・廃水処理を展開
欧州事業: 環境規制が厳格な欧州での廃水処理・水リサイクル事業
新興国展開: 東南アジア・インドでの工業化に伴う水処理需要の取り込み

海外売上比率
売上の約30%。グローバル拡大中 成長

ひよぺん対話

ひよこ

技術営業って化学系の知識がないと難しい?文系でも大丈夫?

ペンギン

栗田工業の技術営業の特徴は「技術と営業の中間」にある仕事。

実際の仕事を分解すると——
「技術的な部分」: 工場の水質データを解析して「このボイラーにはこの薬品が適切」と提案する
「営業的な部分」: 担当工場の購買・施設担当との関係を維持し、定期訪問・契約更新・新規提案をする

文系で入社した先輩が多く語ること——
入社後1年で「水処理の基礎(スケール・腐食・pH管理)」を習得できる
・「化学を深く学ぶ」というより「工場担当者と一緒に水質問題を解決する」というコンサルティング感覚
・理系の同期に比べて技術的な会話は最初は大変だが、顧客との関係構築力で差別化できる

ただし正直に言うと——
「水処理に全く興味がない文系学生」は入社後に辛い。「水が社会に与えるインパクト」「半導体と水の関係」など、何か具体的な興味のきっかけがないと継続のモチベーションが保ちにくい

ひよこ

超純水って何がそんなにすごいの?

ペンギン

超純水のすごさをわかりやすく言うと——

普通の水道水には塩素・カルシウム・マグネシウム・細菌・有機物などが含まれている。半導体チップの製造では、回路の線幅が数ナノメートル(1メートルの10億分の1)という極細の世界で作業する。そこに不純物が1粒でも混入すれば、半導体が不良品になる。

超純水の要求スペック——
比抵抗: 18.2 MΩ·cm(理論上の最大値に近い)
微粒子: 50nm以上が1mLあたり1個以下
全有機炭素(TOC): 1ppb以下

この「ほぼ完全に不純物がない水」を安定的に大量生産するのが栗田工業の核心技術。「精製水より3〜4段階以上純粋な水を工場で使い切る」ために、巨大なシステムと継続的な管理が必要になる。

TSMCの熊本工場では1日何万トンもの超純水を使うとされていて、「半導体工場=水処理工場でもある」と言えるほど水が重要。

次に読む