栗田工業の仕事内容
「水を制する者が製造業を制す」——半導体の超純水から工場廃水処理まで、水処理の専門家が担う仕事のリアル。
TSMCほか半導体工場 一般工業向け ボイラー・冷却水
発電・鉄鋼・化学 環境・廃水処理 廃水処理・ゼロ排水
環境規制対応 グローバル事業 北米・欧州・アジア
海外水処理市場
プロジェクト事例で見る仕事のリアル
新規半導体工場への超純水システム一括設計・施工
国内半導体メーカーの新工場建設に際し、超純水製造プラントの設計から施工・試運転まで一括受注するプロジェクト。「1日数万トンの超純水を安定供給できる」システムを2〜3年かけて構築する。栗田工業の技術営業・エンジニア・施工部隊が連携する大型プロジェクト。
製造工場のボイラー水管理——薬品最適化コンサルティング
ボイラー・冷却水の水質管理薬品を供給し、水質データを定期的に分析してスケール(水垢)や腐食を防ぐ月次管理サービス。「薬品を売って終わり」ではなく、水質データのモニタリング・分析を提供する「水処理コンサルティング」としての価値提案が重要。
工場廃水ゼロエミッション化——排水リサイクルシステムの構築
環境規制の強化と脱炭素目標を背景に、工場から出る廃水を100%リサイクルする「ゼロ排水(ZLD)システム」の設計・施工。半導体工場・電池工場・化学工場など廃水に有害物質を含む製造業での需要が急増。水資源の有効活用と環境コンプライアンスを同時に達成する提案。
北米での工業用水処理サービス拡大——M&A後の統合営業
栗田工業は北米でのM&A(Pentagon Technologies Group等)を通じて海外水処理事業を拡大してきた。買収した会社の顧客基盤と栗田工業の技術・製品を組み合わせて「グローバル水処理ソリューション企業」へと発展する取り組みが続いている。現地スタッフとの連携・英語でのビジネスが日常。
事業領域マップ
電子・半導体向け水処理
半導体メーカー・FPD(液晶・有機EL)工場超純水製造システム: 半導体製造に必要な不純物濃度ppbレベル以下の超純水を製造する大型システム。栗田工業の技術の核心
廃水処理・リサイクルシステム: 半導体工場から出るフッ酸・アンモニア・重金属を含む廃水を無害化・再利用
薬液管理システム: 製造プロセスで使う薬液の純度管理・自動供給システム
運転管理サービス: 超純水システムの24時間監視・定期メンテナンスを受託
一般工業向け水処理
発電所・鉄鋼・化学・食品・製紙工場ボイラー水処理薬品: スケール防止・腐食防止・ pH調整薬品。発電所・化学工場のボイラー保護
冷却水処理薬品: 冷却塔・熱交換器のスケール・腐食・微生物汚染を防ぐ薬品
純水・軟水製造装置: イオン交換樹脂・逆浸透膜を使った工業用純水・軟水の製造システム
水処理管理サービス: 月次の水質測定・データ解析・改善提案を含む継続サービス
環境・廃水処理
工場・自治体・建設業産業廃水処理システム: 工場からの有害廃水(重金属・有機物等)を無害化する装置・システム
ゼロ液排水(ZLD)システム: 廃水を100%リサイクルし工場外排出をゼロにする最先端技術
汚泥処理: 廃水処理で発生する汚泥の脱水・乾燥・再利用システム
土壌・地下水浄化: 工場跡地の土壌汚染・地下水汚染を浄化するコンサルティング
グローバル事業
世界の半導体・製造・電力・食品工場北米水処理事業: Pentagon Technologies Groupの買収を通じて北米での水処理サービスを拡大
アジア・中国事業: 台湾・韓国・中国の半導体・電子産業向けに超純水・廃水処理を展開
欧州事業: 環境規制が厳格な欧州での廃水処理・水リサイクル事業
新興国展開: 東南アジア・インドでの工業化に伴う水処理需要の取り込み
ひよぺん対話
技術営業って化学系の知識がないと難しい?文系でも大丈夫?
栗田工業の技術営業の特徴は「技術と営業の中間」にある仕事。
実際の仕事を分解すると——
「技術的な部分」: 工場の水質データを解析して「このボイラーにはこの薬品が適切」と提案する
「営業的な部分」: 担当工場の購買・施設担当との関係を維持し、定期訪問・契約更新・新規提案をする
文系で入社した先輩が多く語ること——
・入社後1年で「水処理の基礎(スケール・腐食・pH管理)」を習得できる
・「化学を深く学ぶ」というより「工場担当者と一緒に水質問題を解決する」というコンサルティング感覚
・理系の同期に比べて技術的な会話は最初は大変だが、顧客との関係構築力で差別化できる
ただし正直に言うと——
・「水処理に全く興味がない文系学生」は入社後に辛い。「水が社会に与えるインパクト」「半導体と水の関係」など、何か具体的な興味のきっかけがないと継続のモチベーションが保ちにくい
超純水って何がそんなにすごいの?
超純水のすごさをわかりやすく言うと——
普通の水道水には塩素・カルシウム・マグネシウム・細菌・有機物などが含まれている。半導体チップの製造では、回路の線幅が数ナノメートル(1メートルの10億分の1)という極細の世界で作業する。そこに不純物が1粒でも混入すれば、半導体が不良品になる。
超純水の要求スペック——
・比抵抗: 18.2 MΩ·cm(理論上の最大値に近い)
・微粒子: 50nm以上が1mLあたり1個以下
・全有機炭素(TOC): 1ppb以下
この「ほぼ完全に不純物がない水」を安定的に大量生産するのが栗田工業の核心技術。「精製水より3〜4段階以上純粋な水を工場で使い切る」ために、巨大なシステムと継続的な管理が必要になる。
TSMCの熊本工場では1日何万トンもの超純水を使うとされていて、「半導体工場=水処理工場でもある」と言えるほど水が重要。