💼 JSRの仕事内容を知る
世界の半導体を作る材料から医療まで——「化学で世界の最先端を支える」4領域を事例で解説。
プロジェクト事例で見る仕事
次世代EUVフォトレジストの合成・評価
現行ArFフォトレジストの次世代にあたるEUV(極端紫外線)フォトレジストの新材料開発。2nm以下の半導体プロセスに対応するために、感度・解像度・LER(ラインエッジラフネス)のすべてを従来品より高いレベルで実現する必要がある。米InpriaとのEUVメタルオキサイドレジスト共同開発も含む。
TSMC・サムスン向けフォトレジストの量産品質管理と顧客対応
顧客(TSMC・サムスン・インテル等)の最先端量産プロセスで実際にJSR製フォトレジストを使用する際の品質トラブル対応・スペック最適化・歩留まり改善をサポート。材料の特性理解と半導体製造プロセスの理解を両方必要とする専門職。英語での顧客対応が必須。
低温硬化絶縁膜材料の次世代品開発
フォトレジストと並ぶもう一つのコア半導体材料「低温硬化絶縁膜(SOG)」の次世代品開発。半導体の配線間を絶縁するこの材料でもJSRは世界シェアNo.1クラスを誇る。次世代プロセスへの対応のため、比誘電率の低下・熱安定性向上・成膜均一性改善に取り組む。
医療診断用ラテックス試薬の高感度化・新規マーカー開発
血液・尿検査で使われる体外診断試薬(ラテックス凝集法)のポリマー材料開発。感度・特異性・安定性の向上を目指す応用研究。JSRのポリマー技術をライフサイエンスに展開する成長事業。医療機器メーカー(シスメックス・富士フイルム等)と共同開発することも多い。
事業領域マップ
半導体フォトレジスト事業
TSMC・サムスン・インテル・マイクロン等ArFフォトレジスト・液浸ArFフォトレジスト・EUVフォトレジストが主力。ArFで世界No.1シェア、液浸ArFでも世界最高水準。次世代EUVフォトレジストは米InpriaとのM&Aを通じてメタルオキサイドレジストの開発も進行中。半導体製造の前工程(リソグラフィー)に不可欠なため、AIブーム・EVシフトによる半導体需要増大の直接的な恩恵を受ける事業。
コア営業利益率: 23%以上を維持。高付加価値事業の中核
半導体プロセス材料事業
半導体メーカー(TSMC・サムスン等)低温硬化絶縁膜(SOG)・CMP(化学機械研磨)スラリー・バリアメタル材料など半導体製造の各工程で使われるプロセス材料。フォトレジストと並ぶ高付加価値セグメント。半導体の微細化(2nm以下)が進むほど、各材料への精度要求が高まり技術難易度と価値が増す構造。
JSR全事業の中でも最も高い技術参入障壁を持つ事業領域
合成ゴム・エラストマー事業
自動車タイヤメーカー・工業用ゴムメーカーJSRの創業事業である合成ゴム(SBR・BR等)。自動車タイヤ向けが主要用途。JSRはこの事業を日本合成ゴム(JGC)との統合(2022年)でスケールアップ。半導体材料への集中戦略として売却・分離を検討中の事業で、将来的に中核事業から外れる可能性が高い。現在の売上比率は縮小傾向。
就職選択の注意: 将来的に事業売却・分離の可能性がある
ライフサイエンス・新材料事業
医療機器メーカー・製薬会社体外診断用ラテックス試薬・細胞培養材料・ドラッグデリバリー用高分子などのライフサイエンス材料。JSRのポリマー技術を医療・製薬分野に展開する第3の柱として育成中。少量・高付加価値・長期取引という特性で、半導体材料と似たビジネスモデルが期待できる成長事業。
成長方針: M&Aも活用して事業拡大を図る方針
ひよぺん対話
「フォトレジストを作る仕事」って毎日どんな感じ?ルーティンワーク?
ルーティンではない。フォトレジスト開発は「世界最高の技術要求に応える最前線の研究」。具体的には:
・新しいポリマー(高分子化合物)を設計・合成する(有機合成実験)
・できた材料を評価装置(半導体露光装置)でパターン評価する
・「解像度が足りない」「感度が足りない」という問題を材料設計に戻って解決する
TSMC・サムスンが「このフォトレジストが欲しい」というスペックに対して、JSRの研究者が化合物を設計・合成・評価して応える。世界の最先端を相手にした材料科学の仕事で、同じ「実験」でも要求水準が圧倒的に高い。
英語必須?化学系研究者の仕事なのに英語がいる?
技術営業・プロセスエンジニア職ではTSMC(台湾)・サムスン(韓国)・インテル(米国)との英語でのやりとりが必須。メール・技術報告書・プレゼンが英語。純粋な研究職(合成・評価)でも、論文は英語、社内の技術議論も英語が混じる。「英語は使えなくてもいい」は通じない。ただし「ネイティブ並みの英語」ではなく、「技術的な内容を正確に英語で伝えられるレベル」が最低ライン。英語に苦手意識のある人は早期から準備が必要。