💼 仕事内容を知る——電通
電通の仕事は「広告を売る」ことではない。企業の課題を見つけ、クリエイティブとメディアの力で「人の行動を変える」——それが電通のビジネスだ。
プロジェクト事例で知る「リアルな仕事」
新商品の統合マーケティングキャンペーン——TV×SNS×店頭を設計
クライアントの新商品発売に合わせ、ブランド戦略の策定→テレビCM制作→SNS施策→店頭POP→PR→効果測定まで一気通貫で推進。社内のクリエイター、メディアプランナー、PR担当をまとめ、外部のタレント事務所・制作会社・メディアとの交渉も行う。「司令塔」として全体のスケジュール・予算・品質を管理する。
企業ブランドCMの企画・制作——「人の心を動かす15秒」を作る
クライアントのブランドメッセージを15秒〜30秒のテレビCMに凝縮するプロジェクト。コピーライターが言葉を紡ぎ、CMプランナーが映像の構成を設計し、アートディレクターがビジュアルを作る。企画コンペで複数チームが競い合い、最も刺さるアイデアが採用される。カンヌライオンズ(広告の世界大会)での受賞を目指す案件もある。
メディアプランニング——「いつ・どこに・いくらで」広告を出すかを設計
クライアントのターゲット層に最も効率よくリーチするため、テレビ・デジタル・新聞・雑誌・OOH(屋外広告)のメディアミックスを設計。視聴率データ・デジタルの接触データを分析し、「予算100億円でリーチ率80%を達成する最適配分」を提案。テレビ局との枠交渉(バイイング)は電通の最大の強みで、業界最大のバイイングパワーが差別化要因。
クライアントのDX支援——データ活用で売上を変える
クライアント企業の顧客データ基盤の構築→データ分析→パーソナライズドマーケティング→効果測定のPDCAを設計。電通デジタルと連携し、CRM・MA(マーケティングオートメーション)・CDP(カスタマーデータプラットフォーム)の導入から運用までを支援。広告だけでなく「事業そのものを変える」コンサルティング型のプロジェクト。
4つの事業領域
ビジネスプロデュース(BP)
全業種のクライアント企業かつての「営業」を再定義した電通の主力職種。クライアントの経営課題を起点に、マーケティング戦略から実行まで全体を統括する「プロジェクトの司令塔」。社内のクリエイター・メディアプランナー・PR担当をチームとして束ね、外部パートナー(制作会社・タレント事務所・メディア)との交渉も行う。「何を作るか」ではなく「何を解決するか」を考える仕事。新卒はまずBPとして配属されるケースが多い。
クリエイティブ
全業種(ブランド戦略・広告表現)コピーライター、CMプランナー、アートディレクター、クリエイティブディレクター(CD)が所属。企業のメッセージを「人の心を動かす表現」に変換するのが使命。カンヌライオンズで日本勢最多の受賞歴を持つ。別枠の「クリエイティブ職」採用(年間約20名)があり、グループワーク選考で企画力を見る。アイデアの量と質、言語化力、チームワーク力が問われる。
メディア & コンテンツ
テレビ局・デジタルメディア・スポーツ団体テレビ・デジタル・OOH(屋外広告)のメディアプランニング・バイイングと、スポーツ・エンタメのコンテンツビジネスを担当。電通の最大の武器である「バイイングパワー」(広告枠の大量一括購入力)の源泉。テレビCMの約3割に関与し、プライムタイム枠の確保力で他社を圧倒。スポーツ領域ではワールドカップ・オリンピックの放映権管理やスポンサーシップ営業も手がける。
BX / DX(ビジネス・デジタルトランスフォーメーション)
全業種(DX推進企業)「広告を売る」から「事業を変える」へ——電通が急拡大している領域。電通デジタルと連携し、クライアントのデータ活用・CRM構築・EC支援・新規事業開発を推進。2022年にセプテーニHDを買収しインターネット広告取扱額で国内首位に。AI For Growth 2.0を掲げ、AIによるクリエイティブ自動生成やマーケティング最適化も推進中。電通デジタルは6領域・21部門に再編され「総合デジタルファーム」へ進化。
ひよぺん対話
ビジネスプロデュースって要するに「営業」でしょ?地味じゃない?
確かにもともとは「営業」と呼ばれていた。でも今のBPは営業+プロデューサー+コンサルタントを合体させたような職種。たとえばクライアントから「新商品を若者に売りたい」と相談されたら、市場分析→ターゲット設定→メッセージ設計→メディアプラン→クリエイティブ制作→PR→効果測定の全体を設計して、社内外の数十人を動かしてプロジェクトを完遂する。自分では作らないけど、「何を作るか」を決めるのがBP。年間広告予算50〜100億円規模のクライアントを担当することもあり、動かすお金のスケールが桁違いだよ。
クリエイティブ職に行きたいんだけど、どうすれば受かる?
クリエイティブ職は年間約20名の超狭き門。選考では5〜6人のグループワーク(約150分の企画立案課題)があり、「アイデアの量と質」「チームでの立ち回り」「言語化力」が見られる。ポートフォリオ不要だけど、日常的に広告を見て「なぜこのCMが刺さるのか」を言語化する習慣があると強い。正直、「クリエイティブ職に落ちたけどBP(総合職)で入って、後からクリエイティブ領域に移る」という戦略もある。社内には職種転換の仕組みがあるから、まず入社することが大事だったりする。
メディアプランナーってAIに仕事を奪われない?
いい着眼点。確かにデジタル広告の運用型バイイング(入札・予算配分)はAIに置き換わりつつある。でもテレビCMの枠交渉は「人対人のリレーション」がモノを言う世界で、AIでは代替できない。テレビ局の編成担当と信頼関係を築き、「この番組のこの枠が空いたら真っ先に教えてね」と抑えるのは人間の仕事。それに「テレビ×デジタル×OOH×SNSをどう組み合わせるか」というメディアミックスの戦略設計は、まだAIが苦手とする領域。「バイイングの自動化」と「戦略の高度化」が同時に進むのがこの領域の今だよ。
電通デジタルと電通本体、どっちに入るべき?
それぞれ別会社で別採用。電通(本体)は「マスメディア+統合コミュニケーション」が主戦場で、テレビCM・大型イベント・グローバルキャンペーンが強い。電通デジタルは「デジタル領域特化」で、データ分析・運用型広告・CRM・DXを手がける。「大きい仕事のスケール感」なら電通本体、「デジタルマーケティングの専門性」なら電通デジタル。ただし両社は案件で常に連携しているから、入社後に行き来するケースもある。年収は電通本体の方が高い傾向だけど、電通デジタルはデジタル人材として市場価値が高く、転職市場での評価はむしろ高いよ。