3分でわかる電通

あなたが見ているCM、街の広告、SNSのキャンペーン。
その裏側を設計する日本最大の広告会社グループ

1.4兆円 収益(FY2024/12月期)
68,000人 連結従業員数
145+ 展開する国と地域

国内広告シェア約2割。海外売上比率61%。世界第7位の広告グループ

グループ構成(2025年 One dentsu体制)

中核事業
📺
株式会社電通
国内最大の広告会社。従業員5,283人
売上総利益 4,667億(Japan)
💻
電通デジタル
デジタルマーケティング専業。ネット広告国内首位
電通75% + セプテーニHD
🌎
dentsu Americas
Merkle, iProspect, Carat等。北米中心
売上総利益 3,346億
🇪🇺
dentsu EMEA
旧イージスグループ系。欧州・中東・アフリカ
売上総利益 2,693億
🔬
電通総研(旧ISID)
SI・コンサルティング。東証プライム上場
独立上場企業

2023年に「One dentsu」として4地域体制(Japan / Americas / EMEA / APAC)に統合。国内は株式会社電通を中核に約140社・24,000人、海外はMerkle・Carat等のブランドで約44,000人。合計約720社のグループ。

3つのキーワードで理解する

1

日本最大の広告会社——「モノを売る仕組み」を作る黒幕

電通は日本の広告費7.7兆円のうち約2割を取り扱う圧倒的トップ。テレビCMの枠を買い付け、企業のブランド戦略を設計し、クリエイティブを制作し、メディアに出稿する——「モノが売れる仕組み」を裏側から作るのが電通の仕事。あなたが見ているCM、街の広告、SNSの企業キャンペーン、オリンピックの演出——その多くに電通が関わっている。広告は企業と消費者をつなぐインフラであり、電通はそのインフラの設計者。

2

売上の6割が海外——知られざるグローバル企業

「電通=日本の広告会社」というイメージは古い。2013年に英イージスグループを約4,000億円で買収して以降、M&Aで海外展開を加速。今や売上総利益の約61%が海外(Americas 28%、EMEA 22%、APAC 10%)。Merkle、Carat、iProspectなどのグローバルブランドを持ち、世界の広告会社グループで第7位。ただし海外M&Aの投資回収が進まず、2024-2025年に合計5,200億円超の減損を計上——光と影が共存するグローバル戦略。

3

「鬼十則」から「鬼時短」へ——変革の渦中にある会社

電通には「鬼十則」(取り組んだら放すな、殺されても放すな)という伝説的な行動規範があった。しかし2015年の新入社員過労自殺事件を契機に、日本の「働き方改革」の先頭に立つことになった。残業時間を60%削減、22時以降の勤務を原則禁止。さらに2022年の東京五輪談合事件で罰金3億円——不祥事と改革の歴史を背負う。今は「鬼時短」を掲げ、時間を減らしつつ成果を上げる新しい電通を模索している。

身近な電通——あなたの「目に入るもの」を作っている会社

📺
テレビCM

日本のテレビCMの約3割に電通が関与。「企業がCMを打ちたい」と思ったとき、真っ先に相談されるのが電通。枠の買い付けからクリエイティブ制作まで一気通貫で提供。

🏟️
スポーツ・イベント

ワールドカップ、オリンピック、箱根駅伝——大型スポーツイベントの放映権・スポンサーシップ・演出に電通が深く関与。「スポーツビジネスの総合商社」とも呼ばれる。

📱
デジタル広告

SNS広告、YouTube広告、検索連動型広告——電通デジタルがインターネット広告取扱額で国内首位。セプテーニHDとの統合で「マス×デジタル」の統合力を強化。

🎨
クリエイティブ・コピー

「NO MUSIC, NO LIFE.」「そうだ 京都、行こう。」——数々の名コピーを生んだクリエイター集団。カンヌライオンズ(広告の世界大会)で日本勢最多の受賞歴。

ひよぺん対話

ひよこ

電通って「広告代理店」でしょ?何を「代理」してるの?

ペンギン

いい質問。もともとはメディア(テレビ局・新聞社)の広告枠を「代理」で売るのが仕事だった。でも今はそれだけじゃない。企業の課題を解決するために、戦略を考え、クリエイティブを作り、最適なメディアに届け、効果を測定する——いわば「マーケティングのプロフェッショナル集団」。「代理店」という言葉はもう実態に合ってなくて、電通自身も「統合マーケティングソリューション」と名乗ってる。ただ業界では今でも「代理店」と呼ばれてるけどね。

ひよこ

年収1,500万って本当?就活ランキング上位の理由はそれ?

ペンギン

1,508万円(FY2024)は持株会社「電通グループ」の131名の数字で、経営企画の少数精鋭部隊。就活生が入る「株式会社電通」は別会社。実態は30歳前後で700〜900万円、35歳で1,000万円超が目安——それでも十分高い。初任給は月35.5万円(固定残業30h分込み)で、広告業界ではトップクラス。人気の理由は年収だけじゃなく、「企業のマーケティング戦略を丸ごと任される」仕事のスケール感。国民的CMから国際スポーツイベントまで、影響力の大きい仕事ができるのが魅力だよ。

ひよこ

過労死事件とか五輪談合とか、ぶっちゃけ大丈夫なの?

ペンギン

正直、これは避けて通れない話題。2015年の過労自殺事件は日本の「働き方改革」の原点になった。電通はその後、残業を60%削減し、22時以降の残業禁止、三六協定超過者ゼロを達成。2022年の五輪談合では罰金3億円の有罪判決を受け、政府系案件の指名停止処分も。これらは「古い電通」の負の遺産で、今の経営陣は全力で改革している。面接では「不祥事を知った上で、変革期の電通で働きたい」と語れるかがポイント。隠すより正面から向き合う姿勢が評価されるよ。

ひよこ

文系でも入れる?クリエイティブじゃないとダメ?

ペンギン

文系大歓迎、むしろ文系が多数派だよ。電通の職種で最も人数が多いのは「ビジネスプロデュース(BP)」——これはクライアントの課題を見つけて、社内のクリエイターやメディア担当をまとめてプロジェクトを推進する「司令塔」。いわゆるプロデューサー職で、コミュニケーション力とプロジェクトマネジメント力が求められる。コピーライターやCMプランナーは「クリエイティブ職」で別枠採用。倍率は約50〜90倍と超難関だけど、学歴フィルターはなく、慶應・早稲田以外からも毎年入社してるよ。

ひよこ

3期連続赤字って聞いたけど、潰れない?

ペンギン

赤字の正体を理解すれば大丈夫。FY2024の最終赤字1,921億円は海外事業の「のれん減損」が原因。過去に高値で買収した海外企業の価値を帳簿上で切り下げたもので、現金が流出したわけではない。実際、本業の稼ぎを示す調整後営業利益は前年比+7.8%の増益で、国内事業は好調。ただしFY2025も3,276億円の赤字でさらに悪化し、初の無配になった。「潰れる」心配はないけど、海外M&A戦略の失敗は経営の最大課題であり、これをどう立て直すかが今後の10年を左右する。

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