キヤノンの仕事内容
「光学技術」を武器に4つの市場で戦う——プリンティング・カメラ・医療・半導体の仕事のリアル。
プロジェクト事例で見る仕事のリアル
EOS Rシリーズ ミラーレスカメラ開発
EOS R5 Mark IIなど次世代ミラーレスカメラの開発。8K動画撮影、被写体追従AF、手ブレ補正——光学・電子・ソフトウェアの総合力が問われるプロジェクト。プロカメラマンの要求をエンジニアリングで実現する。
ナノインプリントリソグラフィ(NIL)量産化
ASML独占のEUV露光装置に対抗するナノインプリント技術の量産化プロジェクト。装置コスト1/10・消費電力1/10を目指す。半導体業界の勢力図を変えうるキヤノンの最重要プロジェクト。
AI搭載CTスキャナー開発
キヤノンメディカルシステムズでのAI画像診断技術の開発。深層学習によるノイズ除去で被曝量を削減しつつ画質を向上。「少ない放射線でより鮮明な画像」を実現する。
法人向けドキュメントソリューション営業
大手企業のオフィスに複合機+文書管理ソフト+クラウド連携をパッケージで提案。「コピー機を売る」のではなく「オフィスの情報管理を最適化する」コンサルティング型営業。ペーパーレス時代に合わせた提案力が求められる。
事業領域マップ
プリンティング事業
オフィス・家庭・印刷業オフィス向け複合機(MFP): 大型の業務用複合機で世界トップクラス。コピー・プリント・スキャン・FAX一体型
レーザープリンター: 法人向けの高速プリンター
インクジェットプリンター: 家庭向けのPIXUSシリーズ
商業・産業印刷: 大判プリンター、デジタル商業印刷機
消耗品(トナー・インク): プリンター販売後も継続的に収益が入るストック型ビジネス
イメージング事業
プロ・ハイアマチュア・BtoBミラーレスカメラ(EOS Rシリーズ): プロ〜ハイアマチュア向け。フルサイズミラーレスでシェア1位
交換レンズ(RFマウント): 70本以上のRFレンズ群。レンズ資産で顧客を囲い込み
ネットワークカメラ: 防犯・監視用ネットワークカメラで世界トップクラス。AI映像解析も
プロフェッショナル映像: 放送用カメラ、映画撮影用シネマカメラ
メディカル事業
病院・クリニック・研究機関CTスキャナー: 国内シェア1位。AI画像再構成で低被曝・高画質を実現
MRI: 超伝導マグネットによる高精細画像。脳・関節・心臓の診断に
超音波診断装置: ポータブルからハイエンドまで。産科・循環器領域に強み
ヘルスケアIT: 医療画像管理システム(PACS)、遠隔読影支援
※旧東芝メディカルシステムズ(2016年にキヤノンが約6,655億円で買収)
インダストリアル事業
半導体メーカー・FPDメーカー半導体露光装置(ステッパー): ウェハーに回路パターンを転写する装置。i線・KrF用で実績
ナノインプリントリソグラフィ(NIL): EUVの代替技術。型(モールド)を押し付けて回路パターンを形成
FPDリソグラフィ装置: 液晶・有機ELディスプレイ製造用の露光装置
有機EL蒸着装置: OLED製造に不可欠な装置。キヤノントッキが世界シェアほぼ独占
ひよぺん対話
キヤノン本体とキヤノンマーケティングジャパン、どっちに入ればいいの?
これは就活で最も聞かれる質問の1つだよ。ざっくり——
キヤノン本体: 製品の開発・設計・製造が中心。理系の技術職が大半。「カメラのAFアルゴリズムを作りたい」「半導体露光装置を設計したい」ならこっち
キヤノンマーケティングジャパン(MJ): キヤノン製品の日本国内の販売・保守・ITソリューション。文系の営業職が主力。「法人にDXソリューションを提案したい」ならこっち
年収はキヤノン本体のほうが高い(881万円 vs MJの約750万円)。ただしMJは営業職として入りやすいし、お客さんの顔が見える仕事ができる。
ペーパーレスで複合機の需要って減らないの?
確かに印刷枚数は減少傾向。でもキヤノンはそれを見越して——
・複合機を「印刷機」から「情報ハブ」に進化させている。スキャン→クラウド連携、セキュリティ管理など
・消耗品(トナー・インク)のストック収益で安定。一度導入されると5〜7年は使い続ける
・商業・産業印刷(ラベル、パッケージ印刷)にシフト。こちらは伸びている
プリンティング事業の売上は緩やかに減少するかもしれないが、利益は維持する構造。その間にメディカルとインダストリアルで成長する——というのがキヤノンの戦略だよ。