3分でわかるアイシン
ドア・変速機・ブレーキ。トヨタ系サプライヤー最大手が電動化時代に挑む
eAxle(電動駆動ユニット)でEVシフトを商機に変える自動車部品メーカー
トヨタグループ内ポジション
トヨタグループの主要サプライヤー比較。デンソーが電気・電子系、アイシンが機械・ボディ系と役割分担。両社合計でトヨタ車の主要部品の大半をカバーしている。
3つのキーワードで理解する
「見えない部品」の世界シェア王者
車に乗っても「アイシン製」とはどこにも書いていない。でもドアを開けると感じる「スムーズな重さ」、ギアが変わる時の「なめらかさ」——その裏側にあるのがアイシンの技術。自動変速機(AT)の世界シェアはトップクラス、パワースライドドアはトヨタアルファード・ヴェルファイアに採用。消費者には見えないが自動車産業で存在感抜群のBtoB企業。
電動化に乗り遅れない「eAxle」
EVシフトが進むと「エンジンが要らなくなるから自動車部品メーカーはヤバい」と言われる。だがアイシンはEVの心臓部である電動駆動ユニット「eAxle(イーアクスル)」を開発済み。モーター・インバーター・減速機を一体化したコンパクトな電動駆動システムで、EVでもアイシンが必要とされる体制を整えている。電動化を「脅威」ではなく「機会」に変える準備ができている会社。
トヨタ系サプライヤーとしての安定と課題
アイシンの売上のうち約8割がトヨタグループ向け。トヨタが売れる限りアイシンは安定して稼げる。裏返すと「トヨタの業績に左右される」リスクがある。中期経営計画では非トヨタ向け(フォード・BMW・中国メーカー)への拡大を方針に打ち出し、依存度低減に取り組んでいる。このトレードオフを理解できると面接で一段上の議論ができる。
身近な接点
アルファードのパワースライドドア
「ドアが自動で開く」あの快適さ。アイシンのドアシステム技術の代表例
プリウスのハイブリッドシステム
ハイブリッドトランスミッション(変速機)の多くにアイシンが関与している
エネファーム(家庭用燃料電池)
ガスで発電・給湯をする家庭用コージェネ。自動車以外でもアイシンは活躍中
電動パーキングブレーキ
電動ブレーキシステム。ボタン一つで駐車ブレーキをかけるあの機能もアイシン製が多い
ひよぺん対話
アイシンって名前は聞いたことあるけど何作ってる会社?
一言でいうと「車の中の見えない部品を作る会社」。ドアのロック・スライドドア・ギア(トランスミッション)・ブレーキ——車に乗るたびに関わっているのに、車体のどこにも「アイシン」とは書いていない。典型的なBtoB(企業向け)の部品メーカーで、トヨタ・ホンダ・フォードに部品を卸している。売上約4.9兆円というと東京ドームを約5,000回建てられる規模感だよ。
EV化で仕事がなくなりそう。エンジン部品の会社でしょ?
これが一番よく聞かれる質問で、実は答えは「ならない」。アイシンの主力はエンジンではなくトランスミッション・ドア・ブレーキ。EVになってもドアは必要でブレーキも必要。さらにアイシンはEV向けの「eAxle(イーアクスル)」という電動駆動ユニットをすでに量産している。電動化が進むほどアイシンの新しい製品の出番が増える構造になっている。面接でこれを言えると他の候補者と差がつく。
トヨタの子会社みたいな感じ?独立性はある?
「グループ会社」だけど「完全子会社ではない」。アイシンは東証プライムに単独上場している独立企業で、トヨタ以外にも世界中の自動車メーカーに部品を売っている。ただしトヨタが最大顧客(売上の約8割)というのは事実。「トヨタに言われたことをやる会社」ではなく、「トヨタと対等に技術開発で議論できる存在」として自動車産業に位置づけられているよ。
勤務地ってどこ?愛知県中心?
本社が愛知県刈谷市で、国内の主要拠点は愛知・三重・静岡(いわゆるトヨタ王国の中心)が多い。技術系はほぼ確実に愛知県内が中心。事務系も基本は愛知スタート。海外赴任は米国・欧州・アジア(タイ・インドネシア等)に機会がある。「東京勤務がいい」という人には不向きだが、「愛知で腰を落ち着けてモノづくりしたい」という人には最適な環境。