吉本興業の働く環境とキャリアパス
芸人と一緒に「笑いのビジネス」を作る——激務の現実と「好き」が続ける原動力のキャリアのリアル。
キャリアステップ
若手——現場で笑いのビジネスを体で覚える
- 配属先(マネジメント・劇場・制作・IP)でOJT中心の実務学習
- マネジメント部門: アシスタントマネージャーとして担当芸人の送迎・スケジュール管理・現場サポート
- 劇場部門: 公演の制作補助、チケット販売、当日の運営スタッフとして現場を回す
- 制作部門: テレビ番組制作のADとして、撮影準備・進行管理・編集補助
一人前——担当芸人・プロジェクトを自分で回す
- マネジメント: 担当芸人(3〜10組)のマネジメントを独立して担当。出演交渉・ブランド管理も主導
- 劇場: 月次プログラムの企画・編成を主担当として立案。集客施策の設計・実行
- 制作: 担当番組のプロデューサー補佐として企画から制作・放映まで統括
- ジョブローテーションで部署を超えたキャリア形成も可能
マネージャー・プロデューサー——事業の責任者に
- シニアマネージャー: 担当芸人(大物)の単独公演・全国ツアーを統括。数億円規模のプロジェクト責任者
- 劇場プロデューサー: NGK・ルミネよしもとの興行責任者。年間プログラムと収益を統括
- 事業プロデューサー: IP事業・地域プロデュース事業の新規案件開発・大型クライアント対応
- 878人の連結従業員規模でも早期に大きな裁量を持てる環境
部長・役員——吉本の経営を担う
- マネジメント事業部長、劇場事業部長、コンテンツ事業部長として事業戦略を決定
- グローバル展開・新事業開発(三菱商事との協業等)など経営課題に直接関与
- 1912年創業の百年企業の経営を担う立場に
研修・育成制度
新入社員研修
吉本の歴史・芸人文化・各事業の仕組みを学ぶ。実際の公演見学・NGK体験も含まれる。「笑いとは何か」という問いから始まる独特の研修
OJT(配属先での実地研修)
先輩マネージャー・制作スタッフの下でリアルの仕事を学ぶ。芸人との現場・撮影スタジオ・劇場バックステージが学びの場
グローバル研修
海外展開に向けた語学研修・海外視察。吉本のコンテンツをグローバルに展開するための国際感覚を育む。英語での交渉スキルを強化
ジョブローテーション
マネジメント→劇場→制作→IP事業と部署を横断する異動制度。「笑いのビジネス全体」を知るゼネラリスト育成型キャリア
向いている人 / 向いていない人
向いている人
- お笑い・エンタメが心から好きな人——「好き」なしに芸人と向き合うことはできない。苦労も「好き」が乗り越えさせる
- 体力・精神力がある人——マネジメントは不規則な生活が基本。撮影が深夜になることも、芸人のトラブル対応で休日が消えることもある
- コミュニケーション能力が高い人——芸人・テレビ局・広告代理店・自治体と幅広い関係者をまとめる人間力が必要
- 「ビジネスとしてのエンタメ」に興味がある人——お笑いを文化として守るだけでなく、ビジネスとして成長させる視点を持てる人
- 大阪・関西文化が好きな人——本社は大阪。関西の「笑い」の文化を体感できる環境が吉本の原点
向いていない人
- 規則正しい生活を求める人——芸人の仕事は深夜収録・週末公演が多い。マネジメントはそれに付き合う覚悟が必要
- 財務情報の透明性を重視する人——非上場なため給与体系・業績が非公開。同じ業務の他社(上場企業)と比較しにくい
- 高年収を最優先する人——年収600〜700万円台は業界水準だが、激務に比べて「割に合わない」と感じる人もいる
- お笑い以外のジャンルを担当したい人——音楽・アイドル・俳優志望なら他の芸能事務所の方が合っている可能性がある
- 不祥事・トラブルに強くストレスを感じる人——芸人の不祥事は業界の性質上避けられない。危機対応能力とメンタルの強さが必要
ひよぺん対話
吉本興業の社員って激務なの?マネージャーはブラックってイメージある
正直に言う。マネジメント部門は激務。特に若手の頃は——
・深夜収録に付き添い(テレビの収録は深夜が多い)
・芸人の「急なキャンセル」「体調不良」への対応
・休日でも芸人からの連絡が来る
・芸人が「自分のスケジュール管理をマネージャーに丸投げ」するケースもある
ただし——「芸人が好き」という情熱を持った人には天職にもなる。好きな芸人が売れていく過程に関われる喜びは他では得られない。
劇場・制作・IP部門は比較的標準的な労働環境。マネジメント部門だけが激務というわけではない。
2019年の闇営業問題でコンプライアンス意識が大幅に高まり、働き方改革も進んでいる。以前より改善はされているが、完全には「普通の会社」ではないという認識は持っておくべき。
就職活動で吉本興業を志望するとき、何をアピールすればいい?
NGなのは「お笑いが好きだから」だけのアピール。それは大前提。
吉本が求めているのは——
「笑いをビジネスにできる人」
具体的には——
・「地域プロデュース事業で、自分ならこんな企画を作る」という具体的なアイデア
・「芸人IPをどう海外展開するか」というビジネス視点
・「吉本の課題(収益多角化・グローバル展開)をどう解決するか」
面接では「お笑いへの愛情 × ビジネス思考」の組み合わせを見せること。「笑いが好き+ビジネスとして成長させたい」という軸でしっかり語れる就活生が選ばれる。