数字で見るSmartHR
非上場企業なので公開情報は限られるが、分かっている数字を整理した。ARRとは何か、平均年収の実態、競合比較まで就活に使える形でまとめている。
知っておきたい数字
ARR構成(機能別)
SmartHRのARRは主に「労務コア機能」と「タレントマネジメント」の2本柱で構成される。2025年追加の給与計算機能が今後の成長ドライバーとして期待されている。
70,000社が使う基盤機能。安定した積み上げARRの大部分を占める。
人事評価・スキル管理・人材育成機能。ARR50億円超まで成長済み。
2025年追加の給与計算機能。大型アップセル機会として期待大。
給与・待遇(公開情報・口コミベース)
※ 非上場のため有価証券報告書はなし。以下はOpenWork・各種口コミサイト・公式採用情報をもとにした参考値。
| 平均年収(口コミ参考) | 約745万円(年収範囲: 479〜1,450万円) |
| 新卒初任給(ビジネス・デザイナー) | 年俸450万円〜(月給30〜35万円+みなし残業・深夜手当含む) |
| 新卒初任給(エンジニア) | 年俸500万円〜 |
| 年収イメージ | 1〜2年目: 450〜600万 / 3〜5年目: 600〜900万 / マネージャー: 900〜1,300万 |
| ストックオプション | 優秀な人材・幹部クラスへの付与実績あり(上場時に価値が実現する可能性) |
| 残業時間(口コミ参考) | 月平均20〜30時間程度(フレックス制・フルリモート可) |
| 福利厚生 | フレックス制、フルリモート可、各種社会保険、育休・産休、書籍購入支援など |
採用データ(公開情報ベース)
| 採用職種 | インサイドセールス・フィールドセールス、CS、マーケティング、エンジニア(Ruby/Rails/TS/React等)、PdM、デザイナー、HR・コーポレート |
| 採用規模 | 新卒・中途合計で年間数十〜100名規模(急拡大フェーズ) |
| 就職難易度 | BtoB SaaSとして高め。HRへの理解とSaaSの仕組みを理解していることが問われる |
| 選考の特徴 | 「なぜSmartHR?」「HRテックで何を実現したいか」を深く問われる。なんとなくの志望では通らない |
| インターン | サマー・ウィンターインターン実施。参加者は早期選考ルートに乗ることが多い |
BtoB SaaS主要企業との比較
| 指標 | SmartHR | Sansan | カオナビ |
|---|---|---|---|
| 売上・ARR規模 | ARR200億円超(非上場) | 売上253億円(上場) | 売上50億円超(上場) |
| 成長率 | ARR前年比約150%(高成長) | 売上+27.5% | +30%前後 |
| 平均年収 | 約745万円 | 約780万円 | 約500〜600万円 |
| 上場状況 | 非上場(SO機会あり) | 東証プライム | 東証グロース |
| ドメイン | 人事・労務・給与・タレント | 名刺・請求書・キャリア | タレントマネジメント |
ひよぺん対話
非上場だと年収や財務の情報が少なくて、入社の判断がしにくい...
確かに上場企業のように四半期決算が公開されないので、情報は少ない。ただし使える情報源がいくつかある。①OpenWork・転職会議などの口コミ: 実際に働いている・いた社員の給与実態がある程度分かる。SmartHRの口コミによると平均年収745万円、職種別では営業・CSが600〜800万円、エンジニアが700〜1,000万円台というデータが見つかる。②プレスリリース・採用ページの公開情報: 「ARR200億円超」「累計調達額358億円」「従業員数1,100人」などの情報は公式に発表されている。③選考の場で直接聞く: 「現在の財務状況は」「次の資金調達の見通しは」「ストックオプションはどの等級から付与されますか」などを選考中や内定後に確認するのは合理的な行動。非上場だからこそ「自分で情報を取りに行く能動性」が重要になる。
ARRって何?売上と何が違うの?よく出てくるけどいまいちわからない...
SaaS企業特有の指標だよ。ARR(Annual Recurring Revenue)= 年間経常収益。月額課金型SaaSの「今後1年間で見込まれる定期収益」の総額で、売上に近い指標。例えばSmartHRの導入企業が70,000社で、平均1社年間30万円を払っているとしたら、ARRは70,000×30万円=210億円。「現在の顧客数とARPU(1社あたり年間収益)の掛け算」で計算できる。なぜARRを使うかというと、SaaSは月額課金で毎月売上が入ってくるので、「今期の売上」よりも「安定して確保している年間収益の総額」の方が健全性を測りやすいから。ARRが増えていれば顧客が増えているか、1社あたりの支払いが増えていることを意味する。IRや採用ページで「ARR〇〇億円」という表現が出てきたら「安定した年間収益がそれだけある会社」と読み替えるといい。売上とほぼイコールに近い数字だけど、厳密には前受金や消化分の扱いで微妙に異なることもある。
競合のSansanとSmartHR、給与面でどっちが良いの?
細かい比較をすると——初任給: Sansanが手当込み年収640万円(2026年入社)、SmartHRが年俸450〜500万円スタートで差がある。平均年収: Sansanが約780万円、SmartHRが約745万円でSansanがやや高い。ただし就活生が重視すべきはもう一つの視点: SmartHRは非上場で、ストックオプションが付与される可能性がある。仮に入社から5年後にIPOが実現した場合、SOの価値が数百万〜数千万円になるシナリオもゼロではない。確実性は低いが「アップサイドがある分だけ初任給が低い」という見方もできる。単純な初任給比較ならSansanが優位だが、「高成長フェーズのIPO前企業 vs 安定上場企業」のリスク/リターンの違いとして理解した方が正確。自分がどちらのリスク許容度に合うかで判断するのがいい。