💼 国家総合職の政策分野を知る

「国家公務員になりたい」ではなく「どの省庁で何をしたいか」が問われる。財務省の予算編成、経産省の産業政策、外務省の外交——省庁ごとに全く異なる「仕事」を理解しよう。

若手官僚の仕事を事例で見る

財政 110兆円規模の国家予算

来年度予算の編成作業(財務省主計局)

各省庁からの概算要求を査定し、110兆円超の国家予算を編成。数千の事業を精査し、「この事業は本当に必要か」「費用対効果は十分か」を1件ずつ判断する。12月の予算案決定まで毎日深夜残業

👤 若手の関わり方 若手(2〜3年目)は主計官補佐として1つの省庁を担当。担当省庁の事業をすべて把握し、査定資料を作成。「国民のお金をどう使うか」を決める最前線。
経済 国家戦略レベル

半導体産業政策の企画(経済産業省)

TSMC誘致、ラピダス支援など半導体産業の国家戦略を企画・立案。数兆円規模の補助金制度を設計し、法案を作成。海外政府との交渉も含めた経済安全保障の最前線

👤 若手の関わり方 若手は課長補佐のもとで法案の条文作成や国会答弁の想定問答を準備。実際に大臣が国会で読み上げる答弁書を書く。「自分の書いた文章が国会で使われる」経験。
社会保障 社会保障費約37兆円

年金制度改革の検討(厚生労働省)

少子高齢化に対応する年金制度の見直し。支給開始年齢、保険料率、マクロ経済スライドの調整など、全国民に影響する制度設計。有識者会議の運営、データ分析、法案作成。

👤 若手の関わり方 若手は審議会の事務局として資料作成・議事録まとめ。専門家の議論を整理し、政策オプションを大臣に提示するための土台を作る。
外交 国際会議・首脳外交

G7サミット準備(外務省)

G7サミットの議題設定、首脳宣言の起草。各国との事前交渉を行い、日本の立場を反映させる。総理大臣の発言メモ作成から、会場ロジスティクスの管理まで。

👤 若手の関わり方 若手は担当国の政策分析と交渉資料の作成。各国大使館との連絡調整も担う。語学力(特に英語・仏語)が必須。

省庁グループの詳細

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財政・金融系

財務省・金融庁・国税庁

財務省は「霞が関の最強官庁」。予算編成権を通じて全省庁に影響力を持つ。金融庁は銀行・証券・保険の規制監督。税制、国債管理、通貨政策も所管。「数字に強く、論理的に詰める」タイプが多い。採用は法律区分・経済区分が中心。

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経済・産業系

経済産業省・国土交通省・農林水産省

経産省は産業政策・エネルギー政策の司令塔。半導体、AI、スタートアップ振興など最先端のテーマに関わる。国交省はインフラ・交通・住宅。「民間企業と近い距離で働きたい」人に人気。起業家精神がある官僚が多い。

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社会保障・教育系

厚生労働省・文部科学省・こども家庭庁

厚労省は医療・年金・雇用・福祉。予算規模は全省庁最大(約37兆円)だが、激務で知られる文科省は教育政策・科学技術。こども家庭庁は少子化対策の新設省庁。「社会的弱者を支えたい」という志の人が多い。

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外交・安全保障系

外務省・防衛省・内閣官房

外務省は外交政策の企画・在外公館の運営。防衛省は安全保障政策・自衛隊の管理運営。内閣官房(NSS)は国家安全保障の司令塔。語学力と国際感覚が必須。政治・国際区分からの採用が多い。

ひよぺん対話

ひよこ

省庁ってどうやって選ぶの?配属ガチャ?

ペンギン

配属ガチャではない。官庁訪問で自分が志望する省庁を選んで面接を受ける仕組み。民間の就活と同じで、自分で志望先を決めて応募するスタイル。ただし人気省庁(財務省・経産省・外務省等)は倍率が高いから、第二・第三志望の省庁も考えておく必要がある。「なぜこの省庁なのか」を具体的に語れないと通らない。

ひよこ

入省したら最初はどんな仕事?いきなり法律を作るの?

ペンギン

最初は係員(ヒラ)として配属される。法律の条文を自分で書くことはまだないけど、資料作成、データ分析、国会答弁の想定問答作成、審議会の事務局業務など、政策の「下支え」をする仕事。2〜3年目で係長に昇進すると、自分で政策の企画提案ができるようになる。民間と違うのは「入省2年目で大臣に説明する」こともあること。スケールは最初から大きい。

ひよこ

文系じゃないとダメ?理系でも官僚になれる?

ペンギン

理系でもなれる。試験区分に「工学」「数理科学・物理・地球科学」「化学・生物・薬学」等があるし、2024年に新設された「デジタル区分」はまさに理系・IT人材向け。デジタル庁、経産省、総務省等でDX推進を担う。ただし合格者の多くは法律・経済区分(文系)なのは事実。理系は技術系の省庁(国交省、環境省、農水省等)に多い。

ひよこ

省庁間の「力関係」ってあるの?

ペンギン

ある。明確にある。財務省が最も影響力が強い——なぜなら全省庁の予算を査定する権限を持っているから。経産省は「成長戦略の司令塔」として存在感が大きい。外務省は外交という独自領域。一方で厚労省は予算規模は最大だが「激務すぎて人気がない」。省庁の「格」は就活生の間でもランキング化されていて、財務省・経産省・総務省が「御三家」と呼ばれることがある。