商船三井の仕事内容
LNG船世界最大級の船隊からフェリー「さんふらわあ」、ダイビルの不動産まで——海運の枠を超えた「社会インフラ企業」の仕事。
プロジェクト事例で見る仕事のリアル
LNG船の新造・用船プロジェクト
世界最大級のLNG船隊(約110隻)を140隻→150隻に拡大するため、新造LNG船の発注・用船契約の交渉を推進。造船所(韓国・中国)との建造契約、電力・ガス会社との長期輸送契約を同時に進める数百億円規模のプロジェクト。
ブラジル→中国の鉄鉱石輸送
ブラジルのVale社から中国の製鉄会社へ鉄鉱石をケープサイズ船(約20万トン)で輸送。航路は約40日間。市況の変動が激しいため、スポット契約と長期契約のバランスが経営の腕の見せどころ。
ダイビルの都市開発プロジェクト
子会社ダイビルが東京・大阪でオフィスビル・商業施設を開発・運営。海運市況に左右されない安定収益源として位置づけられる。海外(ベトナム等)での不動産事業も展開中。
エネルギー会社へのLNG輸送提案
電力・ガス会社に「LNGをこの船で運びませんか」と提案する営業。輸送ルート、船型、料金、契約期間を提案し、10年以上の長期契約を獲得する。1件の契約で数百億円の価値がある。
事業領域マップ
エネルギー事業
LNG船・タンカー・海洋事業LNG船: 約110隻を保有・運航。2030年に150隻体制を目指す。長期契約ベースで安定収益
原油タンカー: VLCC・アフラマックスで原油・石油製品を輸送
ケミカルタンカー: 化学品専用船115隻規模。ニッチだが参入障壁が高い
海洋事業: FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産設備)の運営
ドライバルク事業
ばら積み貨物の輸送ケープサイズ: 約20万トンの大型船で鉄鉱石・石炭を輸送
パナマックス: 約8万トンの中型船で穀物・石炭を輸送
ハンディサイズ: 約3万トンの小型船でニッケル・セメント等を輸送
市況連動型: BDI(バルチック海運指数)に連動し、好不況の波が大きい
ウェルビーイングライフ事業
不動産・フェリー・内航RORO船ダイビル: 東京・大阪を中心にオフィスビル・商業施設を開発・運営。中之島ダイビルは大阪のランドマーク
フェリー: 「さんふらわあ」ブランドで大阪〜別府、大洗〜苫小牧などを運航
内航RORO船: 国内のトラック輸送を海上輸送に転換(モーダルシフト)
自動車船・物流事業
完成車輸送・サプライチェーン管理自動車専用船: 完成車を世界中に輸送。EV輸送にも対応
商船三井ロジスティクス: フォワーディング(国際輸送手配)、倉庫管理、サプライチェーン全体の最適化
コンテナ船(ONE): 出資比率31%。ONEからの利益配分が大きな収益源
ひよぺん対話
海運の営業って何を売るの?船?
正確には「船のスペース」と「輸送サービス」を売る。例えば——
・LNG営業: ガス会社に「カタールから日本までLNGを20年間運びます」と提案
・ドライバルク営業: 商社に「ブラジルの鉄鉱石を中国まで月3便で運びます」と提案
・自動車船営業: 自動車メーカーに「北米向けの完成車輸送を年間5万台分確保します」と提案
扱う金額が桁違いに大きいのが特徴。LNG船1隻の長期契約は数百億円〜数千億円規模。商社の仕事に近いスケール感だよ。
ダイビル(不動産)の仕事に興味があるんだけど、配属される可能性はある?
商船三井本体で採用されてダイビルに出向するケースはある。ただし海運事業の配属が圧倒的に多いのが現実。不動産をメインでやりたいなら、正直三菱地所や三井不動産を受けるべき。
ただ商船三井の面白さは「海運の仕事をしつつ、不動産やフェリーにもキャリアの選択肢がある」という点。純粋な海運会社(川崎汽船)では得られない多様性だよ。