💼 三菱重工業の仕事内容を知る
エナジー・防衛・宇宙・インフラ——4つの事業領域で「なくてはならないもの」を作るプロジェクトの全体像と、若手がどう関わるかを解説します。
売上の36% 航空・防衛・宇宙 戦闘機・護衛艦・ロケット
売上の21% プラント・インフラ 化学プラント・交通システム
売上の17% 物流・冷熱・ドライブ フォークリフト・ターボ
売上の26%
プロジェクト事例で見る仕事の実態
海外向け大型GTCC発電プラント建設
中東・東南アジアの電力需要増に応え、最新鋭のJ-Series/JAC型ガスタービンを核にした複合発電プラントを建設。発電効率64%超は世界最高水準。企画提案から設計・調達・建設・試運転まで一貫対応。データセンター向け電力需要で受注が急増中。
GCAP(次期戦闘機)共同開発
日本・英国・イタリアの3ヶ国共同開発プロジェクト。三菱重工が日本側の主契約企業(プライム)。2035年配備目標で、合弁会社「エッジウィング」を設立済み。戦後初のグローバルな戦闘機開発プロジェクト。
高砂水素パーク — 水素・アンモニア混焼実証
兵庫県高砂市の実証施設で、大型ガスタービンの水素30%混焼を達成。40MW級では水素・アンモニア専焼も実証済み。世界のカーボンニュートラルを技術で実現する最前線。
もがみ型護衛艦の豪州輸出
オーストラリアが次期フリゲートに三菱重工のもがみ型護衛艦をベースに選定。約100億ドル規模で、戦後初の大型防衛装備品輸出案件。長崎造船所で設計・建造のノウハウを提供。
CO2回収プラント(CCUS)の商用展開
工場や発電所の排ガスからCO2を回収するプラント。世界シェア約70%、商用プラント18基の納入実績。エクソンモービルとの提携やイタリア・サイペムとの協業で海外展開を加速中。
事業セグメント詳細
エナジー
電力会社・石油メジャー・新興国政府ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)が主力。J-Series/JAC型は発電効率64%超で世界最高水準。原子力発電プラント(PWR型)の設計・建設も。さらに水素・アンモニア混焼、CCUS(CO2回収)、革新軽水炉SRZ-1200と、脱炭素の全方位をカバー。データセンターの電力需要急増を背景に、GTCC受注が過去最高を記録。
航空・防衛・宇宙
防衛装備庁・JAXA・ボーイング・エアバス防衛装備品の国内最大手。戦闘機(F-2後継のGCAP共同開発)、護衛艦・潜水艦(長崎・神戸造船所)、ミサイル防衛(12式地対艦誘導弾)、戦車(10式)。宇宙分野ではH3ロケットの製造。民間航空機はボーイング787の主翼部品を製造。防衛費GDP比2%への倍増で売上が前年比+30%と急成長中。
プラント・インフラ
化学メーカー・鉄鋼メーカー・自治体・鉄道会社化学プラント、製鉄機械、環境装置(ごみ処理・排煙脱硫)、交通システム(新交通ゆりかもめ等)、橋梁・水門。社会インフラの建設から維持管理までを一気通貫で担う。エンジニアリング力が要。
物流・冷熱・ドライブシステム
物流会社・自動車メーカー・冷凍倉庫事業者三菱ロジスネクストのフォークリフト、ターボチャージャー(自動車エンジンの過給器)、カーエアコン用コンプレッサー、冷凍・冷蔵ユニット。量産型のBtoB製品で安定収益を確保。他3事業と比べると地味だが、収益の安定装置として重要。
ひよぺん対話
入社1年目からいきなりガスタービンの設計とか戦闘機の開発に関われるの?
さすがにいきなり主担当にはならないけど、チームの一員としては1年目から実務に入るよ。重工業の製品は開発期間が5〜10年と長いから、プロジェクトの途中から参加して先輩エンジニアの下で設計の一部分を任される形。ただ、その「一部分」がガスタービンの翼1枚の冷却設計だったり、護衛艦の電気系統の一区画だったりするから、1年目でも「自分が設計した部分」が製品として完成する感覚はある。
配属って希望通りになるの?防衛に行きたくない人が防衛に配属されることは?
配属面談で希望は聞かれるし、基本的には尊重される。ただ100%保証ではない。26卒からは「初任配属先を選べるコース」が導入されていて、エリアや事業分野をある程度指定して応募できるようになった。防衛事業はセキュリティクリアランス(身元調査)が必要な場合もあるから、希望しない人を無理に配属するメリットは会社にもないよ。
文系でもできる仕事って具体的に何?
大きく分けると営業・調達・プロジェクト管理・コーポレートの4つ。特に重工業の営業は「御用聞き」ではなく、電力会社や政府機関に対して数百億〜数千億円規模の提案をするコンサルティング型。海外プラントの契約交渉や、防衛装備品の契約管理(防衛省との折衝)は文系の独壇場。海外赴任のチャンスも多い。
SpaceJetの失敗で航空事業はもうダメなの?
完成機の開発は中止したけど、ボーイング787の主翼部品や防衛機の製造は続いている。むしろSpaceJetで培った技術(複合材料加工・設計ノウハウ)はGCAPの次期戦闘機開発に活きている。名古屋航空宇宙システム製作所は今も数千人規模の大拠点。航空事業がなくなったわけではなく、「完成機→部品+防衛機」に軸足を移したと理解してほしい。