帝国ホテルの仕事内容を知る
「チェックインするだけ」じゃない——フロント・料飲・宴会・管理の4部門で、帝国ホテルの仕事のリアルを解説します。
プロジェクト事例で知る仕事のリアル
国賓・外国要人の受け入れ——日本の「おもてなし」を世界に示す
G7サミット関連、各国首脳の宿泊、皇族の利用など「国家的な接待」の場として帝国ホテルは機能してきた。受け入れには外務省・宮内庁との連携、セキュリティ対応、専用フロアの準備、多言語スタッフの配備など通常のホテルとは次元の違う準備が必要。コンシェルジュ・フロントスタッフが中心となって動く。
ダイニングのプロデュース——ミシュランレベルの料理と空間を設計
帝国ホテルのメインダイニング「レ・セゾン」や日本料理・中国料理など複数のレストランを運営。料飲部門ではメニュー開発(シェフとの協働)・ワインリストの選定・接客マナーの設計・ギフト商品の企画まで幅広い業務を担う。レストランの稼働率・客単価の管理も重要な仕事。
ウェディング・大型イベントのプロデュース
帝国ホテル東京の宴会場(インペリアルボールルーム等)は東京でも最高峰のウェディング・パーティ会場。年間数百件の婚礼・宴会を手がける。担当プランナーが挙式・披露宴のプランニング・当日の進行管理・顧客との事前打ち合わせを行う。1件の婚礼で準備期間が6〜12カ月にわたることも。
東京本館建替え——130年の歴史をつなぐ最大プロジェクト
現在進行中の帝国ホテル東京本館建替え計画(2036年完成予定)は、100年に一度の大プロジェクト。管理部門・経営企画チームが建替え期間中の収益計画・仮館運営の設計・新タワーのコンセプト策定・ブランドリニューアルを担う。外部のデザイナー・建設会社・投資家との折衝も多い。
事業領域の全体像
宿泊部門(フロント・コンシェルジュ)
宿泊客・VIP・外国要人チェックイン・チェックアウト、コンシェルジュ対応(観光案内・レストラン予約・手配)、ベルマン・ドアマン業務。VIPフロアは別チームが担当し、外国語対応(英語は必須)・プロトコル知識が求められる。宿泊部門は帝国ホテルの「顔」。
料飲部門(レストラン・バー・ルームサービス)
宿泊客・外来客・接待利用レ・セゾン(フランス料理)・嘉門(日本料理)・北京(中国料理)など複数レストラン。バー、アフタヌーンティー、ルームサービスも含む。スタッフはテーブルマナー・ワイン知識・フランス料理の作法など高度な知識を習得する。料飲部門は売上の安定した収益柱。
宴会部門(ウェディング・国際会議・パーティ)
新郎新婦・企業・国際機関インペリアルボールルームをはじめとする大型宴会場で、婚礼・企業イベント・政府主催の晩餐会を手がける。ウェディングプランナーが担う婚礼は帝国ホテルブランドを体現する最重要サービスのひとつ。
管理部門(経営企画・人事・財務・マーケティング)
社内各部門・投資家・パートナー経営企画(建替えプロジェクト・新規事業)、人事(採用・研修・人材開発)、財務(予算管理・IR)、マーケティング(ブランド戦略・PR・デジタル)。管理部門は少数精鋭でインバウンド戦略・OTA(Booking.com等)との交渉・SNSブランディングまで幅広い。
ひよぺん対話
フロントってずっとチェックインするだけの仕事なの?それだとすぐ飽きそう
フロントの仕事は「チェックインはほんの一部」。コンシェルジュは東京中のレストラン・観光スポット・医療機関の情報を把握し、VIPゲストの「こんな店に行きたい」「この薬を探してほしい」という無理難題を解決する。「ゴールデンキー」と呼ばれるコンシェルジュ協会に認定されるには、数年の経験と試験が必要。帝国ホテルのコンシェルジュになると、東京で最も「人脈と情報網」を持つ職業人のひとりになれる。飽きる仕事じゃないよ。
ウェディングプランナーに憧れてるんだけど、帝国ホテルの婚礼部門に入るのは難しい?
帝国ホテルの採用は職種別ではなく総合職採用が基本。入社後にローテーションで宴会部門に配属される可能性はある。ただし「婚礼に関わりたい」という志望が明確なら面接でそれを伝えることが重要。帝国ホテルのウェディングは1件の受注金額が数百万〜1,000万円超になるケースもある最高品質のサービス。プレッシャーは大きいが、顧客の最高の日を作る達成感は他のホテルでは味わえない。志望理由を「なぜ帝国ホテルで婚礼か」まで深めておくといい。