数字で見るデンカ

FY2025の最終赤字は「本業の赤字」ではない——変革期の特殊素材メーカーの財務を正しく読み解く。

知っておきたい数字

4,003億円
売上高(FY2025)
前期比+2.8%増収
144億円
営業利益(FY2025)
本業は黒字(営業利益率3.6%)
約752万円
平均年収
平均年齢40.6歳
1915年
創業年
東証プライム上場(4061)

事業セグメント別売上構成(推定)

エラストマー・インフラストラクチャー(セメント・合成樹脂) 約30%

急硬セメント・ABS樹脂・合成ゴムなど。インフラ工事・製造業向け

ライフイノベーション(診断薬・医療材料) 約20%

インフルエンザ・コロナ抗原検査キット、ワクチン材料等

エレクトロニクス(電子材料・セラミックス) 約15%

窒化アルミニウム基板・球状シリカフィラー。半導体・EV向け

スペシャリティ高分子・フィルム 約20%

特殊フィルム・農業用フィルム・機能性高分子素材

その他(貿易・サービス等) 約15%

原料貿易・物流・グループ内サービス

給与・待遇

平均年収約752万円(平均年齢40.6歳)
初任給(地区A)約240,570円/月(東京・大阪・名古屋等)
初任給(地区B)約232,870円/月(福岡・札幌・仙台・広島)
初任給(地区C)約228,550円/月(青海・大牟田・渋川・五泉工場地域)
賞与年2回(夏・冬)
諸手当家族手当・通勤手当・住宅手当・地域手当
社宅・寮工場地区に独身寮・社宅あり

採用データ

新卒採用数年間60〜80名程度(総合職)
事務系採用20名前後(営業・管理・企画)
技術系採用40〜60名(化学・材料・電気・機械)
文系採用事務系として採用。営業・管理・経営企画職
男女比総合職はやや男性多め(変化の途中)

業績推移(直近3期)

決算期売上高営業利益最終損益
FY2023(2023年3月期)4,024億円134億円+123億円(黒字)
FY2024(2024年3月期)3,893億円134億円+53億円(黒字)
FY2025(2025年3月期)4,003億円144億円▲123億円(赤字・構造改革コスト)

主要化学メーカー比較

企業売上高平均年収強み
信越化学工業約2.4兆円1,327万円塩化ビニル・半導体シリコン世界No.1
旭化成約2.8兆円約870万円素材+住宅+医療の総合化学
住友化学約2.8兆円約900万円農薬・医薬・電子材料
東ソー約9,000億円約770万円塩素・ソーダ国内最大手
デンカ約4,003億円約752万円急硬セメント・診断薬・電子材料のニッチトップ

ひよぺん対話

ひよこ

FY2025で最終赤字って聞いて怖くなった。本業は大丈夫なの?

ペンギン

これは正確に理解しておくべきポイント。

FY2025(2025年3月期)の数字——
売上高: 4,003億円(前期比+2.8%)
営業利益: 144億円(前期比+7.7%、黒字)
最終損益: 約▲123億円(赤字)

最終赤字になった理由——
米国ゴム事業(ネオプレン製造)の停止に伴う設備廃棄・減損損失
・海外子会社(Pentagon Technologies等)の評価損

つまり「本業の営業利益は増益・黒字なのに、不採算事業の整理コストで最終赤字」。財務的には本業は健全で、構造改革コストを一気に計上したという理解が正確。

面接では「FY2025の最終赤字の原因を理解した上で、スペシャリティ化戦略を支持している」と語れると高評価。数字を表面だけで見ない姿勢を示せる。

ひよこ

初任給って具体的にどのくらい?地区で違うって本当?

ペンギン

デンカの初任給は勤務地によって異なるのが特徴。

2025年度実績——
地区A(東京・大阪・名古屋・さいたま・千葉): 約240,570円
地区B(福岡・札幌・仙台・広島): 約232,870円
地区C(青海・大牟田・渋川・五泉): 約228,550円

地区Cは主要工場の立地。「地方工場配属なら初任給が低い」のは事実だが、地区Cの物価を考えると実質的な生活水準は地区Aとそれほど変わらないケースも。

また「総合職」として採用された場合は、初回配属に限らず転勤・異動でどの地区にも配属される可能性がある。「地方工場は絶対NG」という人は、どの職種・コースを選ぶかも面接で確認しておくといい。

ひよこ

採用数は少ない?倍率が気になる

ペンギン

採用データ——

総合職採用数: 年間60〜80名程度
・うち事務系: 20名前後(文系中心)
技術系: 40〜60名(化学・材料・電気・機械系理系)

倍率の目安——
・大手化学メーカーとしては「普通〜やや高め」の倍率(20〜40倍程度の目安)
・信越化学・旭化成・住友化学ほどブランド志望が集中しないため、狙いどころという意見もある

文系学生が気をつけることは——
・事務系採用枠は少なく、競争は激しい
・「なぜデンカか(信越化学・旭化成じゃないのか)」を明確に説明できないと落ちやすい
「化学素材に本気で興味がある」という姿勢の具体的なエビデンス(ゼミ・インターン・業界研究の深さ)が問われる

もっと詳しく知る