数字で見るダイハツ工業
ESや面接で使える数字を整理。不正問題の財務影響も含めて、再建中のダイハツを数字で正直に理解する。
知っておきたい数字
製品ポートフォリオ別売上(推計)
主力製品群。タント・ムーヴ・ミラ・コペン等。不正問題前は国内販売首位
ハイゼットトラック・カーゴ。農業・物流・建設現場での需要が底堅い
トヨタ向けOEM(ピクシスシリーズ等)・部品供給・海外事業(再編中)
業績推移(直近3期)
| FY2023 | FY2024 | FY2025 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆4,700億円 | 1兆1,790億円 | 1兆2,720億円 |
| 営業利益 | 584億円 | ▲157億円 | 250億円(回復) |
| 最終損益 | 372億円 | ▲700億円超 | ▲40億円 |
| 主な要因 | 不正前の最高水準 | 工場停止・特損 | 生産再開・特損継続 |
FY2024は不正問題による工場停止(2023年12月〜2024年5月)で売上が急減。FY2025は生産再開で回復に向かっているが、特別損失1,110億円が最終赤字の主因。
給与・待遇
| 平均年収 | 651万円(推定。非上場のため推計値) |
| 初任給(学部卒) | 月額約250,000円(推定) |
| 初任給(修士了) | 月額約270,000円(推定) |
| 賞与 | 年2回(業績連動あり) |
| 勤務地 | 大阪府池田市(本社)・滋賀・京都(工場) |
| 社員寮 | あり |
| 所定外労働時間 | 月平均20〜30時間程度(推定) |
ダイハツは非上場のため、有価証券報告書による正確な平均年収データは公表されていない。上記は複数の調査サイトの推計値を参考にしたもの。面接では「651万円」という数字よりも、自分のキャリア目標と照らした志望理由を明確にすることが重要。
採用データ
| 採用職種 | 技術系(機械・電気・情報・化学等)、事務系(営業・管理・企画) |
| 採用状況 | 継続採用(ただし不正問題後の採用規模は変動あり。最新は公式サイトで確認) |
| 主な勤務地 | 大阪府池田市・大阪府大東市・滋賀県竜王町・京都府宇治市等 |
| 選考プロセス | ES → 適性検査 → 面接複数回 |
| 特記事項 | 面接で「不正問題をどう見るか」の質問は必須と考えること |
軽自動車メーカー比較
| ダイハツ | スズキ | ホンダ | トヨタ(参考) | |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1.27兆円 | 5.6兆円 | 20兆円 | 48兆円 |
| 平均年収 | 651万円 | 約670万円 | 約860万円 | 983万円 |
| 軽自動車依存 | 約80% | 約40%(インド除く) | 約20% | OEM調達 |
| 独立性 | トヨタ100%子会社 | 独立系 | 独立系 | グループ親会社 |
| 海外展開 | ASEAN(トヨタ主導) | インドで圧倒的シェア | グローバル | グローバル最大 |
| 不正問題 | あり(再建中) | なし | なし(かつて燃費不正あり) | なし |
ひよぺん対話
年収651万円ってどうなの?自動車業界の中では低い?
自動車業界の中では標準〜やや低め。比べると——
・ダイハツ: 651万円
・トヨタ: 983万円
・ホンダ: 約860万円
・スズキ: 約670万円
・マツダ: 約770万円
トヨタと比べると約330万円の差がある。ただし本社が大阪府池田市、工場が滋賀・京都なので生活コストが低め。大阪圏の家賃は東京の7〜8割程度なので、実質的な生活水準の差は数字ほど大きくない。
また不正問題による2025年3月期の最終赤字(約40億円)を経て、待遇の改善ペースは一時的に鈍化している可能性がある。
赤字ってやばくない?ボーナスも出ないの?
「最終赤字」の内訳を正確に見ると——
・営業利益は250億円の黒字(本業は黒字)
・特別損失1,110億円(不正問題関連の損失・部品工場爆発事故の影響)
・結果として最終損益が40億円の赤字
「本業が赤字」ではなく「特殊な一時的費用で最終赤字」という構造。賞与については——不正問題前後で支給額の調整はあったと見られるが、完全にゼロにはなっていない。トヨタグループとしての賞与水準は一定程度保たれているが、具体的な金額は非公開。
2026年3月期以降、一時的な特別損失が収まれば黒字回復の見込み。「赤字だから将来が暗い」ではなく「一時的な特損後の回復フェーズ」と理解するのが正確。
採用って今もやってるの?不正問題で採用停止になってない?
採用は継続している。ただし状況は複雑——
・マイナビ2026年版では「応募受付停止」の記載があった時期もあり
・採用人数は不正問題前より絞られている可能性が高い
・2026年卒・2027年卒の採用活動は継続(マイナビ2027に掲載あり)
採用人数や選考状況は年度によって変わるので、必ず公式採用サイトで最新情報を確認すること。再建中の企業なので採用方針が変更になることもある。
採用している場合、今入社する世代は再建を担う中核人材として育てる意図があると考えてよい。「最悪の時期に入社する」ではなく「最も重要な時期に入社する」という視点も持てる。
1.27兆円ってどのくらいの規模感?
身近な比較で——
・コンビニ大手(ローソン)の売上が約1兆円。ダイハツはローソンより少し大きい規模
・日本の新車販売約400万台のうち、軽自動車は約170万台。その大きな部分を担っている
・大阪府の産業を支える大手メーカー: 池田市・大阪市の製造業の雇用に大きく貢献
「知名度は全国区だが、売上はローソン並み」——トヨタ(48兆円)と比べると約40分の1の規模。「大企業だが、超巨大ではない」。完成車メーカーとしては中堅クラスで、一人一人の仕事が会社全体に見えやすいという面もある。