P&Gジャパンの仕事内容
「洗剤を作る会社」ではない。ブランドを動かし、消費者の行動を変える——マーケティングの最前線。
職種別の仕事
マーケティング(ブランドマネジメント)
ブランドの「ミニCEO」として、消費者調査→戦略立案→広告制作→効果測定まで一気通貫。入社1年目からブランドのP/L(損益)を意識した意思決定を求められる。
セールス(営業統括)
イオン・セブン&アイ・ドラッグストアチェーンなど大手小売に対し、データに基づく棚割り提案・販促企画を行う。「モノを売る」より「売り場を科学する」仕事。
サプライチェーン(生産統括)
工場の生産管理、原材料の調達、需要予測に基づく在庫最適化。日本全国の物流ネットワークを動かすオペレーションの頭脳。
R&D(研究開発)
洗浄力の化学、肌の科学、パッケージ工学など、消費財の性能を根本から進化させる研究開発。グローバルR&Dネットワークと連携。
プロジェクト事例で見る仕事のリアル
アリエール新製品ローンチキャンペーン
消費者調査(N=3,000)からインサイトを発見し、新しい洗浄コンセプトを開発。TV-CM・デジタル広告・SNS・店頭POPまでの統合マーケティング戦略を立案。発売3ヶ月でシェア2ポイント上昇を達成。
ドラッグストアチェーンの棚割り最適化
POSデータ・来店客データを分析し、カテゴリー全体の売上を最大化する棚割りを提案。P&G製品だけでなく競合含めたカテゴリ全体を見る「カテゴリーキャプテン」として小売チェーンの信頼を獲得。
生産ラインの効率改善プロジェクト
アリエールの生産ラインでIoTセンサー×データ分析を活用し、ダウンタイムを30%削減。年間数億円のコスト削減を実現。グローバルのベストプラクティスとして他国の工場にも横展開。
SK-II 次世代スキンケア処方開発
日本発のグローバルブランドSK-IIの次世代スキンケア処方を開発。皮膚科学の知見とピテラ(酵母発酵液)の新たな効能を研究し、臨床試験でエビデンスを確立。開発した処方は世界20カ国以上で発売。
事業領域マップ
マーケティング(ブランドマネジメント)
ブランド戦略・消費者調査・広告・デジタルブランドマネージャー制度: 各ブランドを1つの事業として運営。ABM(アシスタントBM)→BM→シニアBMとステップアップ
消費者調査: 定量調査(N=数千人)+定性調査(ホームビジット、フォーカスグループ)でインサイトを発掘
統合マーケティング: TV-CM・デジタル・SNS・店頭を一気通貫で設計。広告代理店を「使う側」として指揮
P/L管理: 売上・利益・マーケティングROIを数字で管理。「クリエイティブなのに数字に強い」のがP&Gマーケター
セールス(営業統括)
大手小売チェーンへのカテゴリー提案カテゴリーキャプテン: P&G製品だけでなく、洗剤カテゴリ全体の棚割りを提案する「売り場のコンサルタント」
データドリブン営業: POSデータ・来店客データ・気象データまで分析して販促を科学
担当チェーン制: イオン、セブン&アイ、マツキヨ等を担当し、バイヤーとの信頼関係を構築
Trade Marketing: メーカーの戦略と小売の利益を両立させるWin-Winの提案力
サプライチェーン(生産統括)
工場運営・物流・需要予測・調達生産管理: 明石工場(洗剤)、高崎工場(紙製品)等で品質・コスト・納期を管理
需要予測: AIを活用した需要予測モデルで在庫最適化。欠品と過剰在庫のバランスを追求
物流最適化: 日本全国の物流ネットワークを設計し、配送効率とCO2削減を両立
調達: 原材料のグローバル調達。価格交渉とサプライヤー品質管理
R&D(研究開発)
製品処方開発・技術研究・パッケージ設計洗浄科学: 酵素・界面活性剤の分子設計。「少ない水で洗える」「冷たい水でも落ちる」等の技術革新
スキンケア科学: SK-IIのピテラ研究。皮膚のバリア機能・保湿メカニズムの解明
パッケージ工学: つめかえパックの設計、環境負荷の低いプラスチック素材の開発
グローバル連携: シンシナティ・北京・神戸のR&Dセンターが連携。日本発の技術が世界に展開
ひよぺん対話
マーケティングの仕事って具体的に何するの?広告を作るの?
広告を「作る」のは広告代理店の仕事。P&Gのマーケターは広告を「発注して管理する側」——つまりブランド全体の司令塔だよ。
具体的には——
1. 消費者調査でインサイト(本音の欲求)を見つける
2. そのインサイトに基づいてブランド戦略を立てる
3. 広告代理店にクリエイティブの方向性を指示する
4. 制作されたCM・広告の効果を数字で測定し、次の施策に活かす
しかもP&GのマーケターはP/L(損益計算書)の責任を持つ。「良い広告を作りました」だけじゃダメで、「この広告で売上が何%伸びたか」まで問われる。クリエイティブと数字の両方が求められるから、「マーケティングの大学」と呼ばれるんだ。
セールスって要は営業でしょ?飛び込み営業とか?
飛び込み営業は絶対にない。P&Gのセールスは「売り場のコンサルタント」と言ったほうが正確。
担当するのはイオンやマツキヨみたいな大手小売チェーンのバイヤー。彼らに対して「アリエールをもっと棚に置いてください」じゃなく、「洗剤カテゴリ全体でこう並べると御社の売上が上がりますよ」とデータで提案する。
これがカテゴリーキャプテンという仕組みで、P&Gの製品だけじゃなく競合のライオンや花王の製品も含めた棚全体を最適化する提案をする。だからバイヤーから信頼されるし、「P&Gのセールスは頭が良い」と業界で言われるんだよ。
新入社員でも本当にブランドを任されるの?失敗したらどうするの?
本当に任される。入社1年目でアシスタントブランドマネージャー(ABM)として、例えば「アリエールのSNS施策」や「ファブリーズの新しい販促キャンペーン」を担当する。
失敗? もちろんする。でもP&Gの文化は「失敗から学ぶスピードが評価される」。施策を打つ→数字を見る→ダメなら即修正→次の施策——このサイクルを高速で回す経験が成長につながる。
ただし放任されるわけじゃない。上司のブランドマネージャーが「コーチ」として付いて、週1で1on1ミーティング。「答えを教える」のではなく「考え方を教える」スタイルだから、自分で考える力が鍛えられるんだ。