三井物産の仕事内容を知る

三井物産の仕事の特徴は「個人に案件が紐づく」こと。16本部体制・4つの戦略領域で、実際にどんな案件が動いているかを具体プロジェクトで紹介する。

⛰️ 資源・エネルギー 金属資源・エネルギー
三井の稼ぎ頭
🏭 機械・化学・鉄鋼 インフラ・素材
BtoB中核
🏥 生活産業・ヘルスケア 食料・リテール・IHH
三井独自領域
🚀 次世代・機能推進 DX・物流・金融・VC
新規成長

具体的なプロジェクト事例

三井物産が動かしている代表的なプロジェクトを6つ紹介する。資源・エネルギーが中心だが、IHHヘルスケアのような独自領域も重要な柱。

金属資源 純利益 約1,600億円

ブラジルVale S11D鉱山(金属資源本部)

ブラジル・カラジャス地域にある世界最高品位の鉄鉱山。三井物産はVale本体への出資と個別鉱山プロジェクトへの参画を通じて、世界最大級の鉄鉱石サプライチェーンの一角を担う。日本・中国・韓国・欧州の鉄鋼メーカーへの長期供給契約を主要業務とし、市況予測・物流最適化・信用管理を一気通貫で実施。

👤 若手の関わり方 ブラジル駐在またはシンガポール拠点でValeとの連絡窓口、長期契約の価格交渉、顧客鉄鋼メーカーとの調整。入社5〜10年目の中堅が主担当になるケースが多い。
エネルギー 権益規模 兆円級

豪州・北米LNGプロジェクト群(エネルギー本部)

豪州ノースウェスト・シェルフ、カメルーン、アブダビ、モザンビーク、米国キャメロンLNG、カナダLNG等、世界約10カ国でLNG権益を保有。日本の電力・ガス会社向けLNG供給の約3割を三井物産が関与している計算になる。脱炭素時代の「過渡期燃料」として、今後20〜30年の収益安定化に貢献する中核資産。

👤 若手の関わり方 パース(豪州)・ヒューストン(米国)等の駐在が多い。LNG担当は商社パーソンの花形キャリアとして知られ、30年契約の交渉・現地政府対応・船舶配船まで関与。
ヘルスケア 病院数 80超

IHH Healthcare アジア病院事業(生活産業本部)

シンガポール上場のIHH Healthcareは、シンガポール・マレーシア・インド・トルコ・中国等でアジア最大級の民間病院ネットワーク(病院80以上、ベッド数16,000超)を運営。三井物産は筆頭株主として経営に深く関与し、M&Aや新規病院開発、デジタルヘルス事業の拡大を支援。商社のグローバルネットワークと資金力がアジア医療の近代化を支える構図。

👤 若手の関わり方 シンガポール駐在でIHH本社に出向、M&A案件の執行、新規事業開発(遠隔医療・予防医療)、他のヘルスケア関連事業との連携。商社にいながらヘルスケア業界の最前線を経験できる希少ポジション。
機械・インフラ IPP発電容量 数GW

グローバルIPP(独立系発電)事業(機械・インフラ本部)

世界30カ国以上でIPP(Independent Power Producer)事業を展開。ガス火力・再エネ・洋上風力等、総発電容量は数GW規模で、商社の中でも最大級の電力アセットを保有。中期経営計画2026では「Global Energy Transition」の中核として、再エネ比率を引き上げる方針。

👤 若手の関わり方 現地IPP会社の経営メンバーとして出向、プロジェクトファイナンス組成、PPA(電力売買契約)交渉、運営会社の経営管理。財務+事業の両面のスキルが磨かれる。
化学品 世界30カ国超

アンモニア・水素サプライチェーン構築(化学品本部)

脱炭素時代の新燃料として注目されるブルー/グリーンアンモニア・水素の国際サプライチェーン構築を推進。中東・豪州・北米での生産拠点開発から、日本・欧州・アジアへの輸送・販売まで、商社の総合力を活かしたプロジェクト。日本の発電・鉄鋼・化学業界の脱炭素を支える長期戦略事業。

👤 若手の関わり方 新規案件発掘、プロジェクト組成、技術パートナー(プラントメーカー・エンジニアリング会社)との連携。10年越しの長期案件を若手から参画できる。
生活産業 世界の食料供給

グローバル食料サプライチェーン(生活産業本部)

北米・南米・豪州・アジアで穀物・食肉・水産物の生産〜輸出を統括。日本最大の業務用食材卸(三井食品)や米国の食品加工企業への投資を通じて、世界の食料サプライチェーンにおける影響力を持つ。近年はアグリテック・植物性タンパク質等の新領域にも投資。

👤 若手の関わり方 北米・ブラジル・豪州駐在、現地農業・食品企業の経営管理、日本・アジア向け輸出オペレーション、新規事業開発。

16本部/4つの戦略領域

三井物産は公式には16本部体制だが、就活の配属イメージで見ると4つの大領域に整理できる。

⛰️

資源・エネルギー(金属資源+エネルギー)

鉄鉱石 / 原料炭 / 銅 / LNG / 原油

三井物産の最大利益セグメント。ブラジルVale、豪州BHPとの鉄鉱石権益、世界10カ国以上のLNGプロジェクト、チリの銅権益などTier 1資産を多数保有。純利益の4〜5割がここから生まれ、市況が追い風のときは三菱商事を上回る収益を叩き出す。

向いている人: 長期プロジェクト志向、地政学・マクロ経済に関心、海外駐在(特に資源国)OK。

純利益構成比
約45〜50% 三井の稼ぎ頭
🏭

機械・化学・鉄鋼

機械・インフラ / 化学品 / 鉄鋼製品

BtoB中核セグメント。IPP発電事業(世界30カ国、数GW規模)、プラントエンジニアリング、船舶、鉄道、化学品トレーディング、アンモニア・水素サプライチェーン、鉄鋼流通を展開。中期経営計画2026では機械・インフラ領域が「Industrial Business Solutions」の中核。

向いている人: ものづくり・インフラに関心、プロジェクトマネジメント志向、長期案件をじっくり育てる人。

純利益構成比
約25%
🏥

生活産業(食料・ヘルスケア)

食料 / リテール / IHH / 衣料・繊維

三井物産の独自性を象徴するセグメント。IHH Healthcare(アジア病院グループ)を軸に、食料・アグリ・小売・衣料を統合。中期経営計画2026の「Wellness Ecosystem Creation」がこのセグメントの成長ストーリー。アジア中間層の拡大と高齢化を取り込む長期戦略。

向いている人: ヘルスケア・BtoC・アジア新興国に関心、新産業を育てたい人。

純利益構成比
約15〜20% 三井独自
🚀

次世代・機能推進

DX / 物流 / 金融 / VC

新規成長領域の横断セグメント。三井物産CVC(コーポレートベンチャーズ)を通じたスタートアップ投資、物流・金融サービス、データプラットフォーム事業、デジタル事業開発などを担当。既存本部の境界を超えた横断的な新規事業創出の役割。

向いている人: スタートアップ・テック領域に関心、ゼロイチの事業開発が好きな人。

純利益構成比
約10% 育成セグメント

※純利益構成比はFY2025実績ベースの概算。市況により変動するが、金属資源+エネルギーで約半分という構造は長年変わらない。

ひよぺん対話

ひよこ

三井物産の仕事の「個が立つ」って、具体的にどういう状態?

ペンギン

三菱商事とのコントラストで説明するのが一番わかりやすい。例えば「豪州のLNG案件を担当する」というとき:

🏢三菱商事の場合:課長・部長を含む5〜8人のチームで案件を担当。若手は議事録・財務モデル・資料作成などアシスタント業務から始めて、徐々に交渉の現場にも参加するが、重要判断は上長が行う。チームとして動くので、個人の成果は見えにくいが、失敗しても組織でカバーしてくれる。

🏢三井物産の場合:若手でも「この案件は君が主担当」と任されることがある。先輩のサポートは受けるが、現地との交渉・社内稟議・顧客とのやりとりは自分が窓口。成果が見えやすい反面、失敗も自分の名前で残る。「あの案件を動かしたのは〇〇さん」というOBの話が社内で語り継がれる文化。

個人の名前が案件に紐づくので、社内で評判が立ちやすく、若手から「お前はどう考える?」と意見を求められる頻度が高い。これは責任が重い一方で、成長機会としては理想的。受け身な人には辛いが、自分で動きたい人には最高の環境だよ。

ひよこ

三井物産の海外駐在ってどこが多いの?三菱と違う?

ペンギン

事業領域が違うので駐在先の傾向も違う。三井物産の代表的な駐在地はこんな感じ:

📍ブラジル(サンパウロ・リオ):Vale鉄鉱石・穀物・食品関係。三井物産はブラジルビジネスが伝統的に強く、ポルトガル語話者も多数。
📍豪州(パース・シドニー):LNG・原料炭・鉄鉱石。資源メジャーBHPとの連携拠点。
📍シンガポール:アジアビジネスの統括拠点。IHHヘルスケア本社との連携もここから。
📍中東(ドーハ・ドバイ・アブダビ):LNG、石油化学、インフラ案件。
📍北米(ヒューストン・NY):シェールガス・LNG・北米ビジネス統括。
📍インド(ムンバイ):IHH病院事業、アグリビジネス、新興市場。
📍ロンドン・欧州:欧州ビジネスの統括、化学品。

三菱商事との違いは、三井物産の方が「僻地駐在」の比率が高いこと。ブラジルの内陸、豪州の鉱山町、アフリカ、中東のデザート都市など、都会ではない駐在地が多い。これは資源ビジネスの現場が僻地にあるため。ご家族を帯同しづらいケースもあるので、駐在希望は面接段階でよく考えた方がいい。

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